立川市柏町の「パワー軒」で燕三条らーめん。
「ららぽーと立川立飛」に帽子のつばを曲げてもらいに行きたいという息子。誕生日だから食べたいらーめんに付き合うよと妻。
わーいと小躍りし、あそこかここかと想いを馳せる横で、ぼそと最近つけ麺難民でとつぶやく息子とこってりじゃないのが良いとつぶやく妻。
あのあたりで食べたいところと家族のハードルを擦り合わせるを悩むサタデーナイト。気分はこってり。そうだあそこと立川市柏町の「パワー軒」に行こうと決めて寝る。
向かう「ららぽーと」。その途中の五日市街道と並走するすずかけ通り沿いに賑やかな看板にポップや幟が立つところ。それぞれの看板に力強く「豚骨」と「支那そば」に一押しと謳う「燕三条麺」。
いつかは新潟燕三条の「杭州飯店」でが夢の燕三条らーめんラバー。数年前にひたすらチャリを漕ぎ辿り着いて食べたここの燕三条らーめんに満たされたあの日の思い出。
コインパに車を停めて到着すると店内でひとり待ち人。外で待つ時間。しばらくして入れ替わりで入る店内で対峙する券売機。賑やかに踊るメニューたちに目が泳ぐ。
左上の「一押し」の「燕三条らーめん」から「おすすめ」の「塩豚骨らーめん」と「支那そば」に「?」がつく「魚介豚骨醤油らーめん」。なんだろう「?」。
それぞれの大、中、並、小に「つけ麺」と「油そば」に「台湾まぜそば」と「餃子定食」に「チャーシュー丼」と「パワー丼」に「ライス」と定番のトッピングと「ビール」で埋まる押すところ。
その周りに張り紙で「燕三条はにぼしダシからとんこつにも出来ます」や「創業以来伝統の塩とんこつ」とおさまらないトッピングの品々。
すべての麺量がgで表記されているのはとても親切。お腹と相談してラバーな「燕三条らーめん」と息子の「燕つけ麺」と妻の「支那そば」をすべて並でポチとする。
厨房の寡黙なようで親しみがわく店主に食券を渡しながらコインパーキングに停めるとトッピングサービスでとありましたがと問うと150円まででと伝えられる。
券売機に戻り眺めると妻の好物のメンマが150円だったので支那そばにメンマをトッピングでと伝えると、何人と聞かれたので3人ですと。なら3人ともいいよと伝えられ、いいんですかと浮かれる。
息子と再度券売機を眺め息子のつけ麺に味玉とおいらの燕三条にうずらの卵をお願いする。とてもうれしいサービス。というかすいませんな気持ち。
しばらく眺める厨房の調理。あれこれと1号と2号に指示を出しながら手際よくまとめる店主。濾す背油に膨らむ期待。
配膳されるそれぞれのラーメン。銀の皿にのるそれ。
岩海苔とほうれん草と微塵の玉ねぎにメンマとチャーシューにころころとうずらの卵で埋まる丼。その隙間を埋めつくす粒々の背油のテラテラと攻めの麺顔。
いただきますとレンゲで啜る茶濁の汁。香ばしく薫るビターな煮干しに濃いめの醤油と甘い背油が交じりあう深いコクと旨み溢れる汁。うん、おいしい。しばらくレンゲが止まらない。
一息つき、わしと箸でつかみ啜る暴れ汁が飛ぶぷるんぷるんの平打ちのうねる極太の背油を纏う麺。おいしいを引き連れて喉を滑り胃に落ちる。噛みしめて感じるみっちりと詰まる小麦。
煮干と醤油と背油が沁みる甘辛の微塵の玉ねぎとふやけしっとりとした岩海苔と細目に割かれためんまととろとろの肉を頬張り咀嚼してその食感に浸り、ひとつひとつ大切にうずらを食べる。
汁、麺、具を三角で味わいゆっくりと平らげるしあわせな時間。横を見るとみんなとても満足そう。
パワーをチャージしてごちそうさま。外に出て息子にどうだったと聞くとめちゃうまかったと絶賛。だろとつぶやき車に向かう。