ムサビでみんなの椅子に触れる。
武蔵野美術大学の美術館で開催される、近代椅子デザインの源流から9のカテゴリーで展示される約250脚の椅子に触れて座れる「みんなの椅子|ムサビのデザインⅦ」に行って来た。
会場に入り並ぶ椅子を見てかみさんと話す昔好きでよく通った「hhstyle」や「コンランショップ」に来たみたいだね。
それでもミースとコルビュジェに触れ触り撫でて座り包まれるしあわせに浸り、並ぶイームズに興奮し、サーリネンのチューリップチェアーに腰掛けて近未来を想像してみたり。
香川で触れたジョージ・ナカシマにずいぶん前に池袋の西武で見たマッキントッシュのヒルハウスとかリートフェルトのレッドアンドブルーとか。
あの頃を思い出しながら巡る椅子。
これあそこのと見つける妻。さりげなく展示される自由学園のライトと遠藤新の小さな椅子。あそこで座ったねと話したり。
暗転するポストモダンと倉俣の部屋で、生で見るMiss Blancheのアクリルに埋まり浮遊する薔薇の造花に刺さる艶やかなパイプの淫靡な美しさに見惚れ。
隣の部屋で柳宗理のスタッキングスツールのプラスチックの流線の曲線をすりすりと愛でたおす。
偏愛のルーツをたどる展示。
家に持って帰りたいなと思ったのは豊口克平のとよさんの椅子。低い重心に座と背のクッションのなんだかずっと座っていたいと思う椅子。
最後に流れる寺田さんのミースの理念をもじる「ISU is More」と愛溢れる解説動画が楽しくてしばらく見入る。
その寺田さんのずらと並び掲示されるそれぞれの椅子の手書きの解説が細かく繊細でユーモア溢れる愛に満ちるペーパーを眺め読み耽る。
あらためて探すたまごから白鳥になったスワンチェア。アームと背の曲線の美しいバランスを眺め、ゆっくりと座り、しっぽりと包まれてみる。
やっぱり椅子が好き。