小平の「福助」で限定のうどんを食う。
お昼にうどんを食べようと緩く決め久しぶりに会う友人。ひとしきり茶店で積もる話をした後にどこで食べるという話になり「福助は?」に良いねと向かう夏休み。
走るたかの街道からやってるかなーと眺める路地の先にたなびく赤の営業中の幟が見える。良かったやってる。
中央公民館と図書館の少し先の路地を入る住宅街に並ぶ完全戸建て住宅系のうどん屋さん。
玄関のドアを開けて靴を脱ぎお邪魔しますと上がる店内。廊下の先の厨房に控える大将と女将とお姉さんに迎えられる。
海の日と土曜日の狭間の平日だからか思いのほか空いていた。
1階のLDKが店舗。少し広げたキッチンが厨房でLとDにカウンター席とテーブル席。水を汲み座るリビングのテーブル席。
カウンター席の上に掛かるホワイトボードの今日の限定うどんは「すだちの冷かけ」。迷わずそれをお願いします。
眺める斜め向かいの方々はビールから冷酒のオーダー。おすすめはに結露の水滴でしっとり濡れる一升瓶が3本並び話しを聞きこれでと決め並々と注がれるそれ。
揺れる水面に顔を近づけ啜る笑顔をずるいと眺める待つ時間。
10分ほどして茹であがるうどんを玉網ですくい、盛り付けて配膳されるうどんは淀みなく澄む黄金色の汁を埋め尽くす輪切のすだち達。
映える涼し気で爽やか。
いただきますとレンゲで啜る冷しのかけ汁は、いりこのえぐみと旨みにすだちの酸味と凛とした塩みが交じりあうやさしい汁。鼻を抜けるいりこの群れに感じるしあわせ。
すだちを搔き分け顔を出すうどんは白うどんを想像するも地粉の田舎うどん。メニューを見ると讃岐の粉の白うどんはお休み中。
地粉が詰まる褐色の幅も太さもあるヌラヌラとテカる剛直なうどん。啜るというよりも咀嚼して味わう小麦。
いりこの群れと爽やかなのすだちが沁みる武骨のうどん。一歩一本噛みしめただただ啜るしあわせな時間。
むさぼるように汁を啜り、うどんを頬張り満ちる小麦の密度に満足する。
流れる高校野球で感じる夏。ごちそうさまでした。