東久留米下里の麺屋「欄花(らんか)」で濃厚な豚骨。
東久留米下里の新所沢街道沿いにあるスーパー「オザム」の手前で「中華喜楽」の横の元「ラーメンショップ」があった場所に新しく朝早くから営業するラーメン屋さんが出来たと知る。
とあるブログにのる「朝ラーメンと朝カレーは、近くにある市場とオザムへ配達にくるトラックの運転手達にも食べてもらいたい」と店長が話すように朝6時30分から開いている濃厚な豚骨が看板の麺屋「欄花(らんか)」。
朝ラー食べに行ってみようと遅い朝、早めの昼にと家族で向かう日曜日。10時くらい。店に近づくと街道沿いに朝ラーの幟。やってるねと安心し覗く店内はこの時間で満席。すこしびっくりしつつもなんとなくわくわくする待つ時間。
「ありがとうございました」と気持ち良く送り出されるお客さんと入れ代わりに「お待たせしました」と気持ち良く迎えられる。
おでこを近づけ検温機で体温を測り、プシュっと手に受ける消毒液をもみ込みながら対峙する券売機で濃厚豚骨と中華そばをポチとして案内されるカウンター席に着く。
マスク越しにも伝わるすてきな笑顔と感じの良い接客の爽やかに汗だくのお姉さんに渡す食券。醤油と塩のどちらがお勧めですかと聞くと個人的には塩ですと。個人的なの気配りが心地よい。
短冊なつくりの小さなお店。厨房と壁に添い奥に伸びるパーテーションで仕切られる10席ほどのカウンター席。改装したての明るく綺麗で整う店内。
卓上にはおろしにんにくに粗挽きトウガラシと豆板醤にコショーと胡麻に一味と酢が並びこってり濃厚とがっぷり四つで闘うを予感させる調味料たち。
厨房の中では濃厚を炊きあげる二つの寸胴とデポが泳ぐ湯釜を操る凛々しく寡黙に調理を進める店長と小動物のように愛くるしく動くお姉さん。
待つ間にも次々とお客さんが訪れできる外待ちの並び。近所のお父さんやお母さんがフラッと食べに来ましたよーな面々。集めるまちの好奇心。
少しして運ばれる濃厚豚骨の塩。ゴールドで「麺屋欄花」と入る黒の丼に草鞋のようなチャーシューが横たわり、ほうれん草にメンマと葱がのるテラテラと油膜はるザこってりな麺顔。刺さる海苔は一枚。うん、おいしそう。
いただきますと啜るクリーム色の汁。熱々が沁みる鶏ポタのようなクリーミーでまろやかに潜む溢れ出る濃厚な獣のコクと旨みと深み。からむ油のベタつく甘み。旨っ!と漏れる声。むさぼるようにレンゲが進む。
旨っ!を聞き食べたいと息子。席を変わり息子の醤油を啜ってみる。しっかりと輪郭ある醤油に染み出る濃厚でほんのり甘いパンチのある正統派の豚骨醤油。これもおいしい。向こうから息子の旨っ!が聞こえてくる。
席に戻り引き出し啜る麺。東村山「あさひや」の少し太めの四角い断面の柔めな食感が良い感じのもっちりムニとした黄色い麺。べたつく汁を纏い喉を潜る。うん、おいしい。
味付くめんまのカリこりな具合と味は秀逸。肉々しい肩ロースのチャーシューを頬張り噛みしめ肉の旨みに浸り食べ進むラーメン。家族みな名残惜しく最後まで熱々の汁を飲み干して満足に浸る。
席を立とうとするとお姉さんに「お口に合いましたか」と尋ねられる。こそばゆい。「とてもおいしかったです」と伝え、少しお話をし、また来ますと約束しごちそうさまでしたと席を立つ。
店長とお姉さんに「ありがとうございました」と心地よく見送られ店を出る。これからこの場所に根付き愛される店になる予感。