僕にとってのそれが、
岩まん本舗 岩味屋の《岩まん》だ。

1971年創業。
作っているのは、たったひとつ、この岩まんだけ。

いまの時代において、その選択はちょっと不器用で、でもとてつもなくかっこいい。
「これしかやらない」と決めた人の覚悟みたいなものが、ひと口の中にちゃんと詰まっている。

外側のパイ生地は、驚くほど軽やかにサクッとほどけて、
そのあとにやってくる餡は、甘さをぐっと抑えたやさしい味。

派手さはない。
でも、ちゃんと美味しい。

香料も着色料も保存料も使わず、国産バターで仕上げていると聞くと、なるほどなと思う。
この“まっすぐさ”は、ちゃんと理由がある味だ。

しかも、この岩まん。
地元の人でも買えない日があるくらい人気で、通販もしていない。

つまり、「ここに来ないと手に入らない」。

でも、その不便さが、このおやつの価値をぐっと引き上げている。

わざわざ行って、並んで、ようやく手に入れる。
その一連の体験ごと、ちゃんと美味しさに変わっていく。

今日は、運良く買えた。

袋を開ける前から、ちょっと嬉しい。
ひと口頬ばると、その気持ちはちゃんと報われる。

たぶん、《岩まん》は“すごいお菓子”ではない。
でも、“忘れられないおやつ”ではある。

こういうのを“愛してやまない”って言うんだと思う。

【岩まん本舗 岩味屋】
住所/山口県岩国市今津町1-7-22
電話/0827-22-0235
※事前に電話予約していくのもおすすめ
営業時間/9:00〜16:00
定休日/日・月