長野県南木曽町にある「読書」にやってきた
特急しなのに揺られて、降り立ったのは長野県にある「南木曽駅」。
長野県南木曽町の人口は約3,500人。正月だし、さすがに降りるのは自分ひとりだろう、と思っていたのだが、意外にも数人の外国人観光客が一緒に下車した。
日本のお正月に南木曽で下車する、その選択。なかなか渋い。
駅の右側には、少し広めの休憩スペースがあって、電車待ちやひと息つくのにちょうどよさそうだ。駅自体は無人駅ではないものの、簡易委託駅のようで一応どなたかが駅にいるような感じ。
特にやることも決めていないので、とりあえず駅の周りを散策してみることにした。
駅の隣にあるバス営業所を何気なく覗いたとき、視界の端に動くものが見えた。
猫だ。
ガラス越しにこちらを見ている。あとで知ったのだが、南木曽町では野良猫を地域で世話する取り組みをしていて、この猫もその一匹らしい。名前は「みぃちゃん」。
そんな背景は何も知らず、ただ「かわいいなぁ」と思いながら、しばらく見つめていた。
駅を出ると、お店がいくつか並んでいる。
正月にもかかわらず営業していて、外国人観光客が出入りしている姿も見えた。もしかすると、この町のことは日本人の自分より、彼らのほうが詳しいのかもしれない。そんなことを思いながら、さらに歩いていく。
駅を出たら、すぐに「ここが読書です」と、書かれた看板があるものだと勝手に想像していた。
けれど、歩けど歩けど、それらしい標識は見当たらない。1月の南木曽寒さは厳しく、雪まで降り始めてきた。元気ハツラツな外国人を横目に背中を丸めて歩く。
「本当に合っているのかな」と、不安だけが積もっていく。それでも、なんとなく歩き続けていると・・・
「ああああ、あった!読書!!」
確かにそこに「読書発電所施設」の看板が立っていた。
読み方は「どくしょ」ではなく、「よみかき」。寒さでかじかんだ指で調べてみると、「与川(よかわ)」「三留野(みつの)」「柿其(かき)」という三つの村の頭文字を合わせてできた「読書村」という村があったそうだ。
残念ながら、本や出版とは特に関係はない。
でも、そんなことはもうどうでもよかった。
「読書」と呼ばれる場所に、ちゃんと来た。それだけで十分だ。
とにかく読書と呼ばれる場所へ来たかったのでこれで達成
よし、帰ろう。





