終戦後、復興が始まりつつある昭和25年から都内の文豪らの旧居跡や作中の名所などを「散歩」したエッセイ集。上野近くの森鷗外旧居跡から始まり、谷中の幸田露伴の五重塔、漱石の東大三四郎池と歩を進める。
新宿区には、朝の連ドラで話題になっている小泉八雲の旧居跡が2か所あり、富久町を訪れたところでは、八雲が好きだった近くの寺の杉の木を「切り倒さないで」と懇願したエピソードが紹介されている。
小泉八雲終焉の地は新大久保、コリアンタウンのすぐ近く
自分も大久保の旧居跡に行ってみた。職安通りから少し入った大久保小学校の前には「終焉の地」の碑があり、近くに「小泉八雲記念公園」もある。この本では、著者とともに「散歩」した織田一磨、木村荘八両画伯の挿画が当時の雰囲気を醸し出している。



