書店ごとに異なる御書印にコレクター魂が燃える
参加書店で御書印帖をもらい、収集開始。御書印自体は300円だ。
御書印には、訪問日と書店の印、そして書店ごとに異なる一筆が書かれるため、どのような印なのか、わくわくしながら書店員さんに声をかける。
例えばこれは銀座にある蔦屋書店。この本屋さんには印が二種類から選べた。通常版と季節限定のものだ。「限定」という魔法の言葉に弱い私は、迷わず季節限定版を選択。
このときは夏に相応しい百人一首だった。
「季節ごとに違うんですね。またもらいに来ていいんですか?」
と書店員さんに訊いたところ、笑顔で
「またぜひお越しください。お待ちしています」と返された。
季節ごとに楽しみができた。
店舗によって変化があることも知った。
こちらは丸善。丸の内店とお茶の水店では小説の一節と、格言のような一言という違いがあって楽しめた。
「御書印プロジェクト(公式)」サイト
https://note.com/goshoin
を確認し、日々更新される参加店をチェック。次に行くべき場所を物色する。
やはり本といえば聖地、神保町。この地域はいくつかの書店が参加しているようなので、目移りしつつ、すべて行かねばという使命感も芽生えた。
この秋は、神田古本まつり(2025年10月24日(金)~11月3日(月・祝))があったため、御書印もいただいてきた。
書印の色が朱色ではなかったため、書店員さんに訊いたところ、
「この時期はどこも銀色のインクなんですよ」
とにこやかに教えてくれた。
「レアですね!」
私もテンションが高くなってしまった。
このように、御書印の存在を知り、書店の楽しみ方が増えて行動の幅も広がった日々のお散歩だったが、一般的な書店とは少し趣の異なる場所でも御書印のある店があることを知った。
「藝大アートプラザ」だ。東京藝術大学の敷地内にあるお店だが、一般の人も自由に入ることができる。藝大の学生や卒業生など関係のあるアーティストの作品を展示販売している他に、本もあった。確かに書店の一種だと言えるかもしれない。
ちなみに店内は写真OKの表示があったため、アーティストを応援している気持ちが伝わってくる。
実は初めて入ったため、どきどきしながらレジの人に声をかけた。
レジ「御書印はここ、穴場だと思います。皆さん気づかないので」
私「本屋さんだけだと思っていました」
レジ「ここは藝大と小学館が共同で運営しているところなので本もちゃんと売っています。御書印お待ちいただいている間に店内をご覧ください。今展示会もやっていますので」
レジの人は学生なのだろうか。違うのだろうか。快活な若い男性だった。
しばらく店内の作品を満喫していると声をかけられた。完成したらしい。
さすが藝大。なんとなくアートを感じる印だ。
レジ「お待たせしました。この絵、実は今展示をしているあの作家の絵なんですよ!」
私「わ~そうなんですか! 面白いですね! ありがとうございます」
レジ「またぜひお越しください」
このお店は不定休だが、色々な企画展をやっているところらしいので、また行く気がする。
御書印は、「人と書店を結ぶ印」・・・そういえば行く先々でお店の人と楽しく会話していることに気づいて頬が緩んだ。今度はどこのお店へお散歩しようか。



