本書で紹介された同じルートを歩いたことがあります。私なんぞは「いい雰囲気の街並みだなー」「面白そうなお店があるなー」で終わってしまうところを、歴史事象と各方面の文献も紐解きながら、複眼的・複層的に解説してくれます。

とはいえ、けして重くなりすぎません。取り上げられている渋谷川を以前、源流からぶらぶら歩いてみたのですが、この本を下敷きにもう一度、じっくりと歩いてみたいなーと思い直しました。

東京の過去そして未来の都市再開発への批評はかなり刺激的で、読者を飽きさせません。他方でオルタナティブな提案もきちんと示してくれています。

読み終わって、「たいへん勉強になりました!」と敬服するほかありません。