「まじめなおかし」と堂々と主張できる素朴なおいしさ
「ミレービスケット」が好きだ。
高知県にある野村煎豆加工店が製造、販売しているこのお菓子は、シンプルかつ視認性の高い原色を使ったパッケージが目を惹く。人生で最初に口にしたのがいつだったかは覚えていないが、気づけば存在を認知し、味わい、好意を持っていた。
香ばしく、ほんのり塩っぽい味は絶妙で、決してしつこくなく、素朴なおいしさだ。一枚食べた次の瞬間には再び手を伸ばしてしまうという、無言の中毒性が潜んでいる。決して派手ではない。穏やかで優しい風貌をしているわりに、飽きのこない味で次の一枚を誘ってくるのだ。
お店(会社)の創業は大正12年。ミレービスケットは昭和30年頃から作り始めたお菓子だという。多くの人に長く慕われ、作り続けてきたのだろう。変わらぬ味を守り続けるためには、まじめにコツコツ作り続けることが必要で、多大なる努力が伴うことも想像できる。
ほら、見ているうちに一枚。感想を書きたいというもっともらしい理由をつけてまた、一枚、手が伸びてしまう。
裏面に「おいしくお召し上がりいただくために」と書かれているものもある。
真心をこめて、安全でおいしい製品づくりに努力しているため、開封後は、湿らない容器に入れてできるだけ早く食べるようにという。優しいことこのうえない。
袋を開けてしまったらおいしいうちに食べてしまわなければ。
まじめなミレーは、他の人にも優しくまじめだ。
企業とのコラボレーション商品も多く、以前アンパンマンやハローキティが描かれたものも見つけたことがある。どのキャラクターも国民的人気なため、ミレー人気と相乗効果で、気づけばレジへと運んでいる自分がいた。
ちなみに4連繋がっているミレーも見かけたことがある。
例えばこちらは、思わず写真を撮ってしまうほどにユーモアがあって笑顔になる。
掲載していいか分からなかったため右側の写真を隠したが、「私が作っています」と書かれた人物が映っていた。まじめな人に違いない。
他にも高知県の物産展で、コーンポタージュ味やコーヒー味などにも出会ったことがある。愛しいミレーの新たな一面を知るために味わってみたことは言うまでもない。
私のお気に入りは元祖塩味だが、まじめなおかし「ミレー」は何の味であっても美味しかった。
結局、人もお菓子もまじめが一番なのだ。
高知県アンテナショップ「まるごと高知」 https://share.google/rFMKZsK19R4fPE8lk
有限会社 野村煎豆加工店
https://nomura-net.co.jp/
ミレー製造販売



