漱石の生家は現存していないが、早稲田駅近くに生誕100周年を記念して建てられた「夏目漱石誕生之地」と刻まれた石碑がある。なるほど、漱石生誕の地だから夏目坂と名付けたのかと思ってしまうが、命名したのは漱石の父というから驚きだ。

標識には「漱石の父でこのあたりの名主であった夏目小兵衛直克が、自分の姓を付けて呼んでいたものが人々に広まり、やがてこう呼ばれ、地図にものるようになった」と記されている。
このエピソードは漱石最後の随筆『硝子戸の中』でも紹介されているので、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。