それは、商店街の開店前、特に早朝は静まり返っているということだ。
朝7時、誰もいない嵐山を散歩して渡月橋へ向かう。
日中は雑踏にまぎれて向こう岸さえ見えない渡月橋も、この時間なら絶景を独り占めできる。
渡月橋のど真ん中に立って、目の前にそびえる山々を眺め、朝日でキラキラと輝く桂川の水面に目を細める。
目を閉じれば、川のせせらぎが私を包み込む。

不安な時、考え事をしたい時、幾度となく渡月橋に足を運び、心を落ち着けた。
京都を離れ何年経っても、その光景は忘れられない。