突き当たりには、前から気になっていた「薬膳喫茶KURA」(旧朝倉邸)が建っていました(要予約)。
この建物は、左官屋の棟梁が1932年(昭和7)ごろに建てたのだそう。
近くに建っていた看板を見て左折したところ、斜め前には「TEA FACTORY 如春園」(旧下田豆腐店)が見えてきました。
この建物が豆腐屋さんだった時代に前を通ったことがあるのですが、今思えば中に入ってみれば良かったなと思いました。
「薬膳喫茶KURA」と「TEA FACTORY 如春園」が建つ通りは、旧東海道だったそうです。
今回撮影し忘れましたが、旧内野醤油店(たまに公開される、1903年(明治36)築の建物)もこの通り沿いにあります。
「TEA FACTORY 如春園」のちょっと先を右に曲がり、次の通りをまた右に曲がるのですが、間違えて直進して途中で引き返しました。
直進した先には、日曜だけ公開される、山縣有朋の家だった「古稀庵」があります。
現在はあいおいニッセイ同和損保の研修施設になっていて、庭だけ見ることができます。
庭好きな首相として知られていたので、庭好きな方はぜひ訪れてみてください。
右折した通り沿いには、日本最古の水道といわれる「小田原用水」が流れていました。
しばらく直進して左折、坂を上ると、長いのぼりが目印の『甘柑荘』に到着。
『甘柑荘』は金曜と日曜の11時から14時まで開いています(13時45分に入場締め切り)。
保全協力金として500円を支払い(クレジットカードで払いました)、中へ。
内部の写真撮影に関してお聞きしたところ、特に問題ないとのことで、いろいろ撮影させていただきました。
ビデオで三淵嘉子の紹介が放送されていましたが、本を読んだ直後だったので、そのまま内部の見学を開始。
まずは裏庭側を見に行ったら、お茶を点てる時に使う道具などを発見しました。
もう定員に達したそうですが、11月23日には「湘南邸園文化祭」の一環で、表千家の茶会が開催されるそうです。
箱根板橋には、現在の「松永記念館」に住んでいた電力王・松永安左エ門(耳庵)や三井財閥の益田孝(鈍翁)など有名な茶人もいて、三淵忠彦は耳庵と交流があったそう。
廊下にあった作り付けの本棚には、聖書がいっぱい並んでいるのが印象的でした。
三淵忠彦は、最高裁判所長官を辞めた後、奥さんの影響でクリスチャンになったそうです。
三淵嘉子と夫の三淵乾太郎は、2人とも裁判官ですれ違い生活(単身赴任)だったため、この場所で落ち合って、一家団欒したのだとか。
和室では、三淵嘉子の生涯を写真付きで紹介。
ボウリングする写真があったり、旦那さんとの共通の趣味が絵画・焼物・旅行・ゴルフ・麻雀・(法律)と書かれていたりしたので、仕事以外でもパワフルな方なんだなということが、ありありと伝わってきました。
特に印象深かったのは、帽子に合わせて選んだカラフルなファッションの写真でした。
弁護士というとお堅く地味なイメージでしたが、いい意味で裏切られました。
『甘柑荘』は、その名前の通り、庭に柑橘類がいっぱいなっていました。
もみじの木もあったので、これからは紅葉も楽しめるはずです。
受け付けの方に確認したところ、公開予定は年末までだそう。
11月30日と12月1日の10時~15時に開催される「文化財建造物 秋の観覧会」では、『甘柑荘』を含めた小田原市内の8ヶ所がガイドの説明付きなどで公開される予定になっています。
(「古稀庵」は12月1日のみ)
興味のある方は、このタイミングで訪れると良いかもしれません。
『甘柑荘』の見学後は、家の裏にあるお寺「霊寿院」でお墓参りをしました。
三淵家のお墓は、階段を上る手前にあります。
駐車場からは、『甘柑荘』の屋根とうっすら海も見えました。
わたしは「霊寿院」の横の小道を通り、高台経由で小田原駅まで歩いて戻りましたが、結構体力を使うので、行きと同じルートで帰ることをおすすめします。
参考資料:「三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語」
「板橋まち歩きMAP」
「甘柑荘」パンフレット
【虎に翼】相関図[裁判官編 第12週]【NHK朝ドラ公式】
甘柑荘公式サイト
https://www.kankan-sou.com/home
建築家 佐藤秀三の世界
https://www.satohide.co.jp/hidezo/index.html
湘南邸園文化祭 小田原会場
http://shonan-teien-festival.org/stf2023/odawara
文化財建造物秋の観覧会【11月30日(土)・12月1日(日)】
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/lifelong/property/topics/p38647.html