<散歩コース>
呑川とその支流・九品仏川の暗渠・緑道となっているルートを合わせてたどります。静かな住宅街のなかを進みながらも都立大学や自由が丘などの賑わいスポットや歴史ある神社仏閣にも立ち寄る休日のお散歩を楽しめるコースだと思われます。
■桜新町駅から日本体育大学そばまで
東急田園都市線「桜新町」駅からスタートです。電車が地下を走る都道477号線(旧・国道246号線)はかつて玉川上水の分水である品川用水が流れていました。呑川はその余水と周辺の湧水が水源であったかと思われます。
駅の地上口(南口)のそばにあるドーナツ屋さんと牛丼屋さんの間の路地が流路だと推測されます。路地の先を進む(傾斜があるので下っていく)と左手に不自然に広い歩道が出てきます。明らかに蓋をしたであろう様子。路地はいったん現在の国道246号線で断続しますが、橋の欄干がしっかりと残されています。
国道の向こう側から呑川緑道が始まります。緑道はしばらく往時の水の流れを再現された開渠(撮影時は周辺の下水道工事のためか水は止められていた)となり、水路の両側に桜が植栽されています。春ともなれば周辺住民にとっては身近な桜の名所となっています。
すこし歩くと左手に「くりの湯」という銭湯があります。銭湯は大量の排水を行うため川や用水路などのそばに建てられることも多かったそうです。ちなみに「くりの湯」さんは天然温泉(23区南部でよく見られる黒湯)。以前、訪れたときはいかにも昭和な風情の銭湯の建物でしたが、いまは建て直されてキレイにリニューアルし、さながらスパという感じの現代的な装いとなっています。
■日本体育大学脇から都立大学駅まで
復元された呑川は日本体育大学のそば(駒沢通り)まで続き、その先は暗渠化された緑道となっています。呑川緑道はこのあともおおむね桜並木が続きます。また緑道の脇には様々な種類の草花も植栽されていますので季節折々の花を楽しむことができます。
緑道はこのまま南東へ向かって延びていきます。目黒区に入ると左手に八雲氷川神社があります。街中とは思えぬほど広い鎮守の森は閑静。境内には立派な神楽殿もあり、9月の祭礼ではスサノオノミコトによる八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治を題材にした神楽が舞われるそうです。
ふたたび緑道に戻り、先に進むと東京東横線「都立大学」駅に到着。いったんここで昼食タイムを兼ねての休憩です。
呑川緑道の最大の魅力は緑道沿いに延々と続く桜並木ではないかと思われます。今回おとずれたときは季節外でありましたが、春には桜が一本道にひたすら咲き誇り見事な景観をなしています。あたたかな陽気のもと時間を忘れるほどお花見ウォーキングを楽しむことができる絶好のお散歩道といえると思います。
東急東横線の高架下にある、釜玉中華そばのお店「ナポレオン軒」さんにお邪魔しました。”釜玉中華そば”はその名のとおり、釜玉うどんの中華麺版です。中華風なのでさぞかしコッテリ系かと思いきや、想定外にあっさり・さっぱりな味わい。基本ベースは醤油風味の漬け汁(和風のつゆに近い)が底のほうにたまっており、生卵と塩コショウで下味の効いた白髪ねぎそして太目の縮れ麺を混ぜ合わせていただきます。”油そば”や”まぜそば”に近い感覚です。卵がやや小振りなので卵感をより強めたい方はトッピングで追加してもいいかと思われます。また卓上には様々なオリジナリティあふれた調味料が揃えられていますので多様な味変を楽しむこともできます。
お昼ご飯を堪能してエネルギー満タン! 後半戦へ歩き出します。
【後編】は都立大学駅から再出発してさらに呑川緑道を下流に向かって進みます。
よかったら【後編】の別投稿をご覧になっていただければ幸いです。
<行程表>
※標準的タイムによる目安(休憩含まず)
東急田園都市線「桜新町」駅→ 日本体育大学・駒沢通り(20分)→ 八雲氷川神社(30分)→ 東急東横線「都立大学」駅(10分)
コースタイム/ 60分程度
歩行距離/ およそ4km弱
<アクセス>
●往路
東急田園都市線「桜新町」駅から徒歩
●帰路
東急東横線「都立大学」駅まで徒歩
<関連情報>
●釜玉中華そば・ナポレオン軒 都立大学店
中華そば
東京都目黒区中根1-5-1
※東急東横線「都立大学」駅の高架下
(2024/11/15 上町嵩広)