車の運転が好きだ。
2つのペダルと(AT限定なので)、ギアと、ウィンカーとハンドル。これだけこちょこちょ動かすと、あんな鉄の塊でぐいーんと目的地まで走って行けるなんて、なんだか面白いと思っている。人の手でぶら下げて帰るには重い荷物も載せることができるところも良い。

お互いに都合の良い日を話し合って、朝10時半前に待ち合わせた。運転は私。目的の店は朝10時の開店。人気店なので、昼時は平日でもちょっと並ぶ可能性もあるという。とはいえあくまでランチなのだ。開店と同時入店は早すぎるだろう、何ご飯かわからなくなってしまうではないか。11時ごろ入店できるような気持ちで出発する。ここから車で約20分の距離だ。坂の街である川崎市麻生区をとっとこ乗り越えて行く次第。

その店は、車返団地という団地の中にある。カステラみたいな形の建物が立ち並び、足元に並べられる駐車スペースと、トタン屋根の付いた駐輪場。豊かな植栽と等間隔に並ぶ街灯。団地育ちの私には懐かしい見た目の場所だった。

無事に駐車場に車を停めて、ぐるりと建物を回り込むと、商店街が広がっている。八百屋、電気屋、よくわからないものを道いっぱいに広げて売っている雑貨店。その間に現れるカレー店の看板のかわいらしいこと。

時刻は11時。ランチの混雑時間手前ですんなり入店できた。とはいえ席はぼちぼち埋まっている。まあ、なんとしゃれていることでしょう。清潔で天井が高くて、インテリアがおしゃれ。もうこれだけでおいしそうに感じてしまう。

メニューはもちろんスープカレーが基本。チキンとか、野菜とか、牡蠣とか(これは季節ものかな?)、ハーブとか。さらにトッピングも選べて、辛さも選べて、ご飯の量も選べる。カスタマイズの幅広いなー、どうしよう…と迷っていると、「ザンギ(北海道特有のスタイルの唐揚げ。おいしい)のトッピングはマスト」と友人の助言。


結局牡蠣のスープカレーをご飯少なめ、ザンギのトッピング、辛さは5段階中の4に決めた。友人は食前にラッシーを注文。オリジナルコップがとってもかわいらしい。

美しい野菜のどっさりのったスープカレー。ご飯を少なめにしたら野菜のトッピングをひとつ選んで増やして良いですよ、と言ってもらえたので、蓮根をひとつ余計にのせてもらった。

しゃばしゃばスープは、欧風カレーや中東のカレーよりもなんというか、みずみずしいような香り。お味は…カレースープでもなく、カレーでもなく、す、スープカレーだ!!! これがスープカレー!!! スープカレーという食べ物だよ!!!

さらっさらのスープなのに、濃厚ながら優しい香りと口あたり。でもちゃんと追いかけてくる辛さの爽やかなことよ。丁寧に素揚げされた野菜たちが甘くてうんまい。そしてザンギのトッピングはマストでした。このざっくざくの衣ってどうやって揚げるんだろう。唐揚げなのになぜこんなに軽やかなんでしょう。

うまいうまいともりもり平らげて、最後にホットチャイをいただきました。
こちらもロゴの鳥さんが忍んでいるオリジナルカップ。そんな細部までおいしいスープカレー初体験。帰りにお隣の八百屋さんで野菜を買い込んで帰りましたとさ。