池袋の雑踏のちょっと小道に入ったところに、
池袋ぽくなく(失礼)店は存在してます。

入口を入ると、
まず目に入るのが木目と白い壁の落ち着いたお洒落感満載の店舗。
そこに、シンプルお洒落なパッケージに入った珈琲豆が並んでいます。

「よし、帰りに買うぞ!」
と、飲んでもいないのにそう思わせる趣の豆たちを通り過ぎ、
店内でいただくための注文をいたします。

珈琲もフードもメニューにいろいろと書かれているのですが、
どうしてもTodays Coffyを頼んでしまう習性あり。
2種類あったので違いを聞いたところ、
深煎りと浅煎りということだったので、
この時の気分の浅煎りのコロンビアをオーダー。

フードはパウンドケーキやら何やらあったのですが、
こちらのお店では必ずトーストをオーダー。

なぜならトーストを頼むと、バターと蜂蜜とゆで卵がついてくるのです。
それでいて430円。
お洒落なのにこの基本。
だいすきです。

ちなみに本屋さんで買ったのは、
さんたつ谷根千特集号とニーチェ。
こちらでは、さんたつを読みながら、のんびりと珈琲で一息つくことにしました。

浅煎りを選んだのに、
しっかりとコクもあり、しかし軽やかで香りも高くて。
「おいしいよ!おいしいんだよ!」
「うん、おいしいよ!おいしいんだよ!」
と、鼻腔も口も食道も唇も、
珈琲が触れたところが一斉にそう叫ぶ。

大晦日だし、この珈琲の滝に打たれたいほどだ!
という気持ちで珈琲を口に運びます。

そして、少し気持ちが落ち着いたところで、トースト。

こちらのトーストのパンは全粒粉のパンで、
外側の耳はしっかりとした歯ごたえで香ばしいのに、
内側のパン生地はふわっと、みずみずしい!

まずはそのままひと口食べて、といつもはやるのですが、
寒さと疲れで甘さとあぶらを欲していたのでしょう、
無意識にバターを塗りつけてしまいました。
気づいたときには蜂蜜もかけ終わったところで、
「まぁいい、こんな日もあるさ」と、
いきなりのパンとバターと蜂蜜のハーモニーをいただくことにしました。

噛み応え十分のトーストの耳は、
香ばしい香りが鼻に入り込むと同時に、
内側のフワッとみずみずしいパン生地が弾けて、
蜂蜜の香りもINしてきます。

こ、これは!
口の中は、いろんな年齢の学生があつまる、
定時制高校のよう。。。
ん?
この例えで合っているのか微妙ですが、
香ばしさと、みずみずしさと、ふわっとと、蜂蜜の気高き香りとが、
口の中で踊りだします。

そしてすぐさま、珈琲をIN。

なんて素敵な大晦日なんだ!
そう思いながら、しばし珈琲とトーストのハーモニーに夢中になったところで、
さんたつの表紙をめくります。

はぁ、谷根千も行きたい。
こう改めて谷根千特集を読むと、
気もちが谷根千へと持っていかれたのですが、ここは池袋。
池袋を味わうことに専念することにしました。

こんなスペシャリティ珈琲のお店で、
トーストにゆで卵というオーソドックスなスタイルは、
今と昔に気持ちが行ったり来たりします。
結果、大満足です。

すこし身もこころも落ち着いてきたので、
さんたつのページをめくり、珈琲をすすり、ページをめくり、珈琲をすすり。
「こういうひととき、やっぱり好きだな。。。」
と、忙しない年の瀬大晦日に、
ゆったりくつろぐのでした。

店を出て、ふたたび池袋の雑踏の中へ出ると、とても可愛らしい「IKEBUS」発見。

忙しなさが、ゆったりのんびりほんわかへと変わって、
家路に着くのでありました。