今回のゴー!ゴー!
『マルイ ノースランド店』(岡山県津山市)
「津山ホルモンうどん」といえば、あまりにも有名なご当地グルメ。岡山県津山市でホルモンが地元食となったのは、当地が古くから牛馬の飼育拠点だったためでした。
そして仏教の影響などで肉食が禁止されていた江戸時代、津山城下では幕府から特別に「健康維持や病気療養のための薬」として、牛の食用が認められていたのです。
そんな歴史的“肉どころ”津山で、肉好きなお客さんの胃袋をグッとつかんでいるご当地スーパーが『マルイ』。昭和6年(1931)、津山市に開設したマルイ食料品店がのちにスーパーとなり、県北エリアを中心に岡山、鳥取、島根の3県で展開。
『ノースランド店』は津山城の北に位置する大型店舗で、城の東西にはそれぞれ、『イーストランド店』と『ウエストランド店』(津山出身のお笑いコンビ名の由来になった店!)もあります。老舗の和菓子が豊富な『ノースランド店』では、城下町に伝わる茶の湯文化を感じられるはずです。
「焼肉やホルモンうどんのタレも多く、地元メーカー各社が味を競っています」と、赤澤美智夫店長。「ライバルは、周辺の肉やホルモンを味わえる専門店」とも。
この店で定番の人気商品は「干し肉」「そずり鍋」「煮こごり」「ヨメナカセ」といった、津山特有の肉料理やその材料となる肉です。いずれも地域の牛肉文化から生まれた、肉をムダにせず余すことなく食す先人の知恵。
「干し肉」は肉のブロックを数日間干して旨味を凝縮させた保存食、「そずり鍋」は骨の周りの肉を削ぎ落として(津山弁でそずる)使った鍋、「煮こごり」は固いアキレス腱などを煮込み、そのゼラチン質を冷やし固めたおかず、「ヨメナカセ」(由来は「下処理が大変で嫁が泣く」とか「嫁を泣かすほど精がつく」など諸説あり)は焼肉などで食べるコリコリ食感の大動脈!
むかしから牛肉に親しむ風土を築いた津山藩と人々が育んだ城の町で、郷土料理と出会えるスーパー『マルイ』の“肉と伝統の国・ノースランド”店。夏からは名産の桃、梨、ブドウであふれる、夢と魔法のようなお店です。
牛肉文化の地元の味わい
ほかの地域にはない肉文化が開花した、津山の地元食の数々。肉やホルモンを隅々までおいしく食べる先人たちの知恵と、地元メーカーのたゆまぬ努力の賜物です。
津山城下の銘菓大集合!
風情あふれる城下町・津山。歴史と文化を感じる町には、多くの老舗和菓子店があります。その名店の味を、地元の人と同じようにスーパーでさりげなく。
「共同開発弁当」に注目!
肉グルメだけでなく、食育活動など地域の健康に食で寄与する『マルイ』。美作(みまさか)大学短期大学部栄養学科や鳥取短期大学生活学科と共同開発する、季節で変わる健康的な弁当(写真の女性が1日に必要な食物繊維量1/3入り「ほっと和ごころ弁当」)も名物です。
取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2026年2月号より










