今回のゴー!ゴー!

『いとく男鹿ショッピングセンター』(秋田県男鹿市)

大晦日の夜、大きな声で「泣く子はいねがー!」と家にあがりこんでくる、なまはげ。子どもたちは阿鼻叫喚(あびきゅうかん)。国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、秋田県男鹿の神事です。

日本海に突き出した男鹿半島の付け根のあたりにある『いとく男鹿ショッピングセンター』(以下『男鹿S.C.』)は、その名も「男鹿なまはげモール」内にあります。半島周遊ドライブの始まりや終わりに、休憩や給油をかねて寄りたい、なまはげ色の濃いスーパーなんです。

規模の大きい店舗のため、通路は広々。地元野菜と男鹿の魚もそろう。
規模の大きい店舗のため、通路は広々。地元野菜と男鹿の魚もそろう。

男鹿の空によく映えるITOKUのロゴ。「いとく」の名は、明治32年(1899)に商店を始めた創業者・伊藤徳治さんの名前にちなみます。現在は秋田を中心に、28店舗展開するチェーンスーパーに。ここのような複合商業施設も多く、地域の人々が憩う場所となりました。

2022年に開業した『男鹿S.C.』は、スーパー「いとく」を核に東北最大級の『無印良品』などが出店。市のサービス窓口もあり、買い物だけでなく、地域の人々を支える存在になっています。さらに、男鹿の海の幸がそろう日常食のほか、正月に欠かせない鰰(はたはた)寿司などの郷土の味もしっかり網羅。

名所写真と土産品で気分高まる、男鹿半島観光の入口といえる好立地。
名所写真と土産品で気分高まる、男鹿半島観光の入口といえる好立地。

一方で、旅行者も楽しめるのが同店。まず、なまはげ人形がお出迎え。

人気の奇岩・ゴジラ岩など、美しい男鹿の風景写真パネルに彩られたコーナーには、食品だけでなく「なまはげアイマスク」や「なまはげ自由帳」などの土産品も(この記事内に写真あり。探してみて!)。

さて、いまどきは「準備が大変」「家が汚れるのがイヤ」などの理由で、なまはげの訪問を敬遠する家庭も多いのだとか。ピンポーンと呼び鈴を押してから、静かめに入ってくるようになっているそう。とはいえ、多くの地元食に採用されるなまはげキャラ。いまも地元の人々から大事にされているのがよくわかります。

信仰と暮らしを大切にしてきた男鹿の人々が守ってきた、さまざまな文化とも出会えるのが、いとく『男鹿S.C.』なのです。

「泣く子はいねがー!記念撮影OKだぞー!」なまはげ人形2体が毎日お出迎え。なまはげデザインの商品も多い。
「泣く子はいねがー!記念撮影OKだぞー!」なまはげ人形2体が毎日お出迎え。なまはげデザインの商品も多い。
illust_19.svg

生活の中になまはげデザイン

お土産にちょうどいい地域の味。お土産用だけでなく、地元の人が日常使いする商品にも、たくさんの「なまはげ」が描かれています。迫力満点の顔やユーモラスなものも。

秋田県産米サキホコレの米粉を使用、男鹿のどらやき「おがどら」と栗入り。
秋田県産米サキホコレの米粉を使用、男鹿のどらやき「おがどら」と栗入り。
秋田で味噌といえば、なまはげの「ヤマキウ秋田特選味噌」。パッケージもそっくりな、この味噌を使ったせんべいもある。
秋田で味噌といえば、なまはげの「ヤマキウ秋田特選味噌」。パッケージもそっくりな、この味噌を使ったせんべいもある。
秋田なまはげ農協「赤鬼しょうゆ」と、だし醤油「味ひょうたん」。男鹿半島の海水使用の「おにぎり塩」、青さ入り「焼魚塩」、藻塩「焼肉塩」も。
秋田なまはげ農協「赤鬼しょうゆ」と、だし醤油「味ひょうたん」。男鹿半島の海水使用の「おにぎり塩」、青さ入り「焼魚塩」、藻塩「焼肉塩」も。
秋田の米焼酎「出羽鶴 焼酎なまはげ25度」。化粧箱を2箱並べると迫力のなまはげが現れる。
秋田の米焼酎「出羽鶴 焼酎なまはげ25度」。化粧箱を2箱並べると迫力のなまはげが現れる。

秋田名物が勢ぞろい!

男鹿の地元消費商品の味わいは個性派ぞろい。いとくで製造する郷土料理も多く、地元の伝統を現在に伝えています。一方で地元の老舗や名店の味もあり、買い物が楽しい♪

ワンハンドで食べられる「みそ付ききりたんぽ」、甘~い「甘寿司」はむかしながらの味、甘酸っぱい、秋田の伝統的お茶請け「あんずしそしぐれ」。
ワンハンドで食べられる「みそ付ききりたんぽ」、甘~い「甘寿司」はむかしながらの味、甘酸っぱい、秋田の伝統的お茶請け「あんずしそしぐれ」。
県魚のハタハタを県産米、ニンジン、生姜で漬けたなれずし「鰰ずし」。いまがシーズン真っ只なか。切り、1匹、子持ちなど、各種あり。
県魚のハタハタを県産米、ニンジン、生姜で漬けたなれずし「鰰ずし」。いまがシーズン真っ只なか。切り、1匹、子持ちなど、各種あり。
鰰ずしの盛り付けイメージ。
鰰ずしの盛り付けイメージ。
ラベルの地元の風景が美しいクラフトビールは、地元飲食店製造の「Ogresse Quete(オグレス クエット)」(女性鬼の冒険の意)。男鹿の塩入りさっぱり味。
ラベルの地元の風景が美しいクラフトビールは、地元飲食店製造の「Ogresse Quete(オグレス クエット)」(女性鬼の冒険の意)。男鹿の塩入りさっぱり味。

「ゆっくりレジ」に注目!

キャッシュレスレジやセルフレジ化が進む小売業界ですが、一部の人たちにとっては便利ではないのかも。後ろの人を気にせず、自分のペースで支払いができる、ゆっくりレジ。高齢者の多い地域ならではのやさしいサービスです。

住所:秋田県男鹿市船越内子218-1/営業時間:9:00~22:00/定休日:1月1・2日/アクセス:JR男鹿線船越駅から徒歩17分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2026年1月号より