全国的にも珍しい、塩ブリ入りの押しずし

海なし県の滋賀県なのに!? はたまた、海なし県だからこそ!? 宇川の春祭りのハレの日ごはんには、海の“ブリ”が登場する。

まだ車に乗る人が少なかった昭和中期頃は、伊勢の魚屋さんが自転車ではるばる売りに来ていたのだとか!?

距離にして片道85km以上!! 昔の人の体力……半端ない!! しかも段切り替えもない、電動自転車でもなかった時代に……。

どうやって作る?

押しずし用の木枠に竹皮→酢飯(すしに合う米「日本晴」を使う)→具の順に重ねて詰めていき、蓋の上から重石で押す。

具はシイタケ、タケノコ、かんぴょう、乾燥の黄湯葉(彩りポイント!)、塩ブリ、木の芽。

間に竹皮を挟むのが、昔ながらでステキ。切る前の姿も美しい~!!

甘く炊いたたっぷりのかんぴょうに春の味の“木の芽”の苦味がよきアクセントに。かんぴょう大好き♡

 

黄湯葉とかんぴょうに埋もれてしまっているが、木の芽の向かって右側にうっすら見える白いものが塩ブリの切身。
黄湯葉とかんぴょうに埋もれてしまっているが、木の芽の向かって右側にうっすら見える白いものが塩ブリの切身。

女性だけの打ち上げ?

本祭の翌日4月26日は昔、集落の女性だけで近くの山に登ってお疲れさま会をしていたのだとか。

その時のごはんも、もちろん「宇川ずし」

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水口は日本のかんぴょう発祥地

宇川ずしにも入っている“かんぴょう”。江戸時代に日本に入ってきて栽培が始まり、水口は江戸時代からの産地でもある。

今はかんぴょう=栃木県のイメージだけど、水口のかんぴょうの種が栃木に持ち込まれたものなのです。

「壬生藩(栃木県)に国替えになった時に持っていったんだよね~」(水口城主・鳥居忠英〈ただてる〉)

水口にほど近い私の実家でも、昔おばあちゃんがかんぴょうを作っていました。

取材・文・イラスト・写真=松鳥むう