今回のゴー!ゴー!

『新鮮屋オタギリ』(長野県中野市)

きのこやりんご農家が多く、周辺には志賀高原や野沢温泉などの有名スキー場もある、長野県北部の中野市。

『新鮮屋オタギリ』は昭和48年(1973)に精肉店としてオープンし、スーパーとなってから35年、地元の人々の毎日の生活と特別な日の食卓を彩ってきました。

現在、すぐそばの国道沿いは、最大手のショッピングセンターや県内発祥の人気チェーンスーパー、さらに大型ホームセンターも2店舗立ち並ぶ激戦区。これらはもちろんあとから建ったのですが、この環境に負けることなく、地元の人たちに選ばれてきた理由がありました。

まず、土・日曜に開催する「惣菜バイキング」が魅力的。店長の綿貫悠悟さんによれば、「最近は地元テレビ局の放送を見て、少し遠方からも人が来るようになったが、少なくとも15年以上は続いている」という名物イベントです。

「好きなものを好きなだけ」をコンセプトに、当初は1g1円で始めたバイキング。

近年は原料などの高騰もあり1g1.71円(一部商品のみ2.24円)となっていますが、それでもこの日は35種以上ある総菜から「豆腐ハンバーグ」「なす揚げびたし」「八宝菜」 「大学芋」 「手羽元唐揚げ」を容器にびっしり入れても394円と、超リーズナブル。味つけもやさしい!

土・日曜限定開催の『オタギリ』名物「惣菜バイキング」。L字のエリアに手作り総菜が温冷35種以上そろう。
土・日曜限定開催の『オタギリ』名物「惣菜バイキング」。L字のエリアに手作り総菜が温冷35種以上そろう。
冷製総菜はココ! 地元野菜を使ったサラダや和え物などがあるので見逃さないで。
冷製総菜はココ! 地元野菜を使ったサラダや和え物などがあるので見逃さないで。
「個包装の弁当・総菜も用意していますよ!」と店長の綿貫悠悟さん。
「個包装の弁当・総菜も用意していますよ!」と店長の綿貫悠悟さん。

魅力はほかにも。実は同店、「和牛オリンピック全国8位」の成績をもち、一部「信州プレミアム牛肉」として全国で流通する「小田切(おたぎり)牧場」の直営店。

「循環型農業」で地域の農家の稲わらと堆肥(牛糞)を交換。稲わらは牛の餌や牛舎の敷わらに。馬や牛の仲買人・馬喰(ばくろう)から昭和29年(1954)に牧場を始めた創業者、小田切裕治社長と精肉担当の洋司専務、親子3代が肉に向き合った歴史があります。

「だからうちは牛と同じぐらい、馬にもこだわりあり」と特別なルートで、フレッシュな馬肉を用意できると話します。「赤身のモモ肉と脂身のタテガミを酢醤油で食べるのがツウ」と教えてくれたのは、洋司専務。すぐに味わいたいなら、専務が仕切る隣の店『焼肉おたぎり』へどうぞ。

温かい総菜が並ぶ縦の列の手前。なくなるとすぐに温かい料理が運ばれ、補充完了だ。
温かい総菜が並ぶ縦の列の手前。なくなるとすぐに温かい料理が運ばれ、補充完了だ。
野菜売り場で目を引く(大きい!)季節の野菜・夕顔を使った「夕顔のあんかけ」。
野菜売り場で目を引く(大きい!)季節の野菜・夕顔を使った「夕顔のあんかけ」。
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肉自慢!『オタギリ』の自信作

小田切牧場から始まったスーパー。やっぱり肉が自慢です。多くのスーパーが競合する地域でも、ハレの日には「『オタギリ』にいい肉を買いに行こう」と選ばれてきた信頼の味。

2023年12月にスーパーの隣にオープンした『焼肉おたぎり』。自社牧場の牛肉を味わえると人気の店の味をお弁当で。「特製 和牛焼肉弁当」。
2023年12月にスーパーの隣にオープンした『焼肉おたぎり』。自社牧場の牛肉を味わえると人気の店の味をお弁当で。「特製 和牛焼肉弁当」。
『オタギリ』のもう一つの名物「馬さし」が各種そろう。
『オタギリ』のもう一つの名物「馬さし」が各種そろう。
小田切牧場特製の「たまねぎ黒酢ドレッシング」。「循環型農業」に取り組む牧場の牛糞を肥料に育ったタマネギが原料。野菜だけでなく肉もさっぱり食べられる。
小田切牧場特製の「たまねぎ黒酢ドレッシング」。「循環型農業」に取り組む牧場の牛糞を肥料に育ったタマネギが原料。野菜だけでなく肉もさっぱり食べられる。
小田切牧場の「信州プレミアム牛肉」。
小田切牧場の「信州プレミアム牛肉」。
その信州プレミアム牛肉を手軽に味わえる「牛そぼろおにぎり」。
その信州プレミアム牛肉を手軽に味わえる「牛そぼろおにぎり」。

長野が誇る、名物ご当地食

リゾート地としても有名なエリアのため、お土産に最適な商品も豊富。地元の人たちも購入するローカル色の強いご当地の味は、リーズナブルで地元人気も高い日常の味わい。

豆腐がうまいと評判のご近所さんの「原豆腐園」。左上から国産もめん豆腐、青豆クラフトトヲフ、とうふドーナツ。
豆腐がうまいと評判のご近所さんの「原豆腐園」。左上から国産もめん豆腐、青豆クラフトトヲフ、とうふドーナツ。
野沢温泉の大自然と人々の温かさに惚れ込んだ英国人のトーマス・リヴシーさん夫妻が創業した醸造所兼パブ「里武士(LIBUSHI)」のクラフトビール「Nozawa シリーズ」。
野沢温泉の大自然と人々の温かさに惚れ込んだ英国人のトーマス・リヴシーさん夫妻が創業した醸造所兼パブ「里武士(LIBUSHI)」のクラフトビール「Nozawa シリーズ」。
地元の伝統野菜・ぼたんこしょう(辛い!)で作る「おかず味噌」「やたら」と「ボタスコ」赤・緑。
地元の伝統野菜・ぼたんこしょう(辛い!)で作る「おかず味噌」「やたら」と「ボタスコ」赤・緑。
信州土産になりそうな、地元食を集めた楽しい棚。
信州土産になりそうな、地元食を集めた楽しい棚。

『焼肉おたぎり』に注目!

贅沢6種盛り。
贅沢6種盛り。
新鮮屋の馬刺し。
新鮮屋の馬刺し。

隣接する焼肉店。小田切牧場直営の牛肉を堪能できる「贅沢6種盛り」や「新鮮屋の馬刺し」など、看板商品が味わえます。

焼肉おたぎり

☎0269-38-0141
11:30~14:00・17:00~22:00、火・水休(月・木は夜営業のみ)

住所:長野県中野市一本木375/営業時間:9:30~19:30/定休日:不定/アクセス:長野電鉄中野松川駅から徒歩15分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2025年10月号より