“きずし用”のサバを使うべし!

なれずしに使うサバは、国産のサバで“きずし用”と記載されているものを買うのだそう。海外産のサバと違い、秋まつり頃の国産のサバは脂がのっていないので、なれずしにはちょうどいいのだとか。

スーパーに「きずし用」と書いて売ってあり、「ここらへんでは『すしな』とも呼びます」と湯浅の知人。

友人は棒ずしの状態ではなく、ひと口サイズで作る派。右奥の器の中身はもちろん、おかいさん。
友人は棒ずしの状態ではなく、ひと口サイズで作る派。右奥の器の中身はもちろん、おかいさん。

どんなお味?

米は古米を使い、アセとバラン(*1)葉で巻かれた姿。海水をたっぷり吸ったご飯がもちもちねっとりで美味。梅酢入りだからさわやかフルーティー♡

「子どもの頃、おばあちゃんの家に行くと、なれずしとおかいさん(*2)がおやつで出てましたね!」(和歌山県海南市の知人)

おやつなの!? ご飯ではなく!?

「7日間置くとけっこう発酵が進んで香りが強くなるから、私は4日間くらいにしてる。季節にもよるけどね」(作り方を見せてもらった友人)

 

*1 「ハラン(葉蘭)」の古名。湯浅の人はこう呼びます。

*2 ほうじ茶で炊いた茶がゆ。各家には茶がゆ専用の鍋があったほど、和歌山ではよく食べられていました(今も食べる人は食べる)。

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野草が大活躍

【作り方】
合わせ酢の代わりに梅酢を使った酢めしの上に、酢締めした塩サバをのせる。

まず、アセの葉で包む。アセとは「暖竹(ダンチク)」のこと。

さらにバランで巻く。

シュロで結ぶ。

ビニール袋を敷いた押しずしの箱「すし桶」に詰め、海水と同じ濃度(塩分3%)の塩水で密封。

重石をして4~7日寝かせて発酵させる。

取材・文・イラスト・写真=松鳥むう