今回のゴー!ゴー!
『ファインズTAKEDA』(佐賀県伊万里市)
スーパーマーケットの情報発信ツールが新聞の折込チラシだった時代は、過去のものになりつつあります。
現在の主流はSNS で、店がオンタイムの情報を画像や動画で発信。近隣の顧客(フォロワー)のスマートフォンなどに直接お届けするスタイルです。
SNSの総フォロワー数が16.78万人(2024年12月現在)というとんでもないスーパーが、佐賀県伊万里市で1店舗の『ファインズTAKEDA』。近所の人が買い物にやってくる場所というスーパーの常識を覆し、遠方からはるばる来店する人も少なくありません。
目的は、できたて総菜とともに登場する通称「あっちゃん」の不思議なダンス。実はこのあっちゃん、副社長なのです。
父が創業したスーパーを母から引き継いだ、竹田智史(さとし)社長(兄)とあっちゃんこと温史(あつし)副社長(弟)が兄弟で経営。「釜あげとうふ」など自家製商品も販売しています。
全国のローカルスーパーと交流したいと、本格的におもしろ動画を配信したのが2019年。コロナ禍には「少しでも明るく」と、あっちゃんのパフォーマンスを開始します。
2023年、そのダンスを見て一緒に踊るおばあちゃんの映る動画が「神回」として、公式インスタグラムで大バズり。全国にその名が知られるようになりました。
もちろんご当地食もこの店の大きな魅力です。
鮮魚は長崎県平戸港より直送。「呉(ご)どうふ」は豆乳をデンプンで固めた伝統食ですが、佐賀と長崎両県のメーカー品があり、食べ比べも楽しい! 長崎との県境に位置するため、両県の食文化にふれられます。
動画配信で人気沸騰中の店に、私のYouTubeチャンネル「ご当地スーパー 朝・昼・バン!」も訪問し、公開中。
替え歌&謎ダンスのほか、ご当地食への愛や、隣接する長崎のソウルフード「佐世保(させぼ)豆乳」の地元流“底をかじる飲み方”を披露する社長と副社長。二人のやさしい人柄にもふれられる「神回」になるかも?
「ご当地スーパー 朝・昼・バン!」はこちら
一度は食べたい佐賀の味
佐賀で出会えるのは、新鮮な海の幸だけとは限らない。地域の人たちが毎日食べる、魅力的で味わい深い地元ならではのグルメがここに。ほかの地域では入手困難な人気商品も定番だ。
伊万里自慢の県境グルメ
店の所在地である伊万里市は佐賀県の西に位置し、長崎県に広く隣接するエリア。そのため、食材も食文化も両県のよいところがミックスされ、伊万里の食文化を彩っている。
「ビックリマン風シール」に注目!
歌と踊りで有名な、土・日曜の「あつあつセール」。遠方からのファンも多く、感謝の気持ちを込めて、社長が来店客に『ファインズTAKEDA』特製「ビックリマン風シール」を手渡しします。
取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2025年2月号より