「たで」ってなに?

「タデ食う虫も好き好き」のタデのこと。

たでずしには、集落の西側を流れる野洲川の河原に自生する「ヤナギタデ」を自宅の畑などで育てて使われています。

たでずし作り

タデの葉、大きめのジャコ、酢飯をそれぞれ混ぜます。

タデの葉は乾燥させて、粗めの粉状にしたもの。タデの葉がほんのかすかにピリリッ。

今まで「たでずし」を作って友人知人に販売していた方が引退宣言をされたので、今秋の祭りではどうなるのか気になるところ。
今まで「たでずし」を作って友人知人に販売していた方が引退宣言をされたので、今秋の祭りではどうなるのか気になるところ。

半紙の上にたでずし

祭りの中の「頭(とう)渡し」という儀式では、半紙の上にたでずしと青漬け(大根葉の塩漬け)をのせるというしきたりもあります(頭渡しは見学できなかったので、聞いたことを想像で描いています)。

 

ほぼすべて、植物でできた御輿

800年以上前から受け継がれている種芋から栽培された、みずみずしい緑が美しい「ずいき」がふんだんに使われます。

飾られる柿、栗、ゴマ、ケイトウ、榊(さかき)はもちろん、ずいきなどをつなげるのにも、山から採ってきた藤蔓(ふじづる)が使われます。

とにかく一度、この御輿の美しさを生で見てほしい!

祭りのあと、すべて自然に還るものだなんて——。そんな自然にやさしいところも、とってもステキ。

各集落から御上神社へと運ばれた5基のずいき御輿が並ぶ姿は、美しすぎて思わずため息が出てしまう。
各集落から御上神社へと運ばれた5基のずいき御輿が並ぶ姿は、美しすぎて思わずため息が出てしまう。

ずいき祭の“お菓子”

集落の人たちは、ずいきで作った御輿のことを“お菓子”と呼びます。

昔、野菜や果物のことを“お菓子”と呼んでいた流れからだそう。

取材・文・イラスト・写真=松鳥むう