今回のゴー!ゴー!

『フーズガーデンゆりあげ 食彩館』(宮城県名取市)

仙台空港から車で約10分。旅の始めと終わりに寄りやすく、「産直」がテーマのご当地スーパーが、名取市にある『フーズガーデンゆりあげ 食彩館』です。

宮城県内に9店舗展開するご当地スーパー、イトーチェーンの店舗のなかで「ご当地スーパー+産直市場」という、ワクワクが止まらない夢のコラボを実現した業態が「フーズガーデン食彩館」。

2015年誕生の玉浦店と、2020年にオープンした、ここ閖上(ゆりあげ)店の2店舗は、どちらも東日本大震災で大きな被害を受け、スーパーマーケットが消失した地域でした。その復興整備計画の一環で必要とされたのが、「住民に利便性が高く、地元生産者を助け、遠方からも人々が集まる店」です。

ワクワクの入口は、やはり産直コーナー。「閖上」の文字をデザイン化した市松模様がモダンな内装です。

地元農家さんがみずから並べる生産品、加工品、地元メーカーの調味料や加工食品、お菓子、飲料など数も種類も多く、まるで宝探し気分。

  農家だけでなく漁師もみずから商品を持ち込む、大人気の「産直コーナー」。
農家だけでなく漁師もみずから商品を持ち込む、大人気の「産直コーナー」。

珍しい「海の産直」もあるんです。

「水産大国」には、多くの鮮魚が全国から集まりますが、売りは「地元漁師が持ち込む魚介」。「○○丸」と船の名前が書かれたPOPが並び、格安で新鮮な魚を買えます。

漁師の産直「水産大国」と、大型生け簀は要チェック!
漁師の産直「水産大国」と、大型生け簀は要チェック!
「ホヤ初心者は一番下の部分『へそほや』がおすすめです」と、「水産大国」チーフの尾形浩二さん。
「ホヤ初心者は一番下の部分『へそほや』がおすすめです」と、「水産大国」チーフの尾形浩二さん。

そのお隣「閖上マリンキッチン」は平日のお昼、地元の人で席が埋まるフードコート。「利益は考えずに、新鮮な海鮮を提供したい」と、もともとは玉浦店で始めたサービス。生マグロ、生サーモン、エビ、イクラ、イカが贅沢なオリジナル海鮮メニュー「食彩五色丼」と郷土料理「はらこめし」(季節限定)は、必食の味と価格です。

総菜売り場の「大ネタこだわり寿司」や「自家製はらこ飯」なども、地元人気の高い商品。2019年、イトーチェーンは北海道のアークスグループの一員となりましたが、地元で生まれ、創業以来、宮城の人々の毎日の食生活に寄り添ってきたスタイルに変わりはありません。

ぜひ味わって。イトーチェーンの味

お得で豊富なメニューのフードコート「閖上マリンキッチン」、自家製総菜、自社オリジナル商品、「水産大国」の魚介など、イトーチェーンの魅力がぎっしり。

「閖上マリンキッチン」の一番人気「食彩五色丼」(手前)、季節限定「はらこめし」(奥)、「ほや唐揚げ」(右)。
「閖上マリンキッチン」の一番人気「食彩五色丼」(手前)、季節限定「はらこめし」(奥)、「ほや唐揚げ」(右)。
仙台名物でもある自社開発商品「イトーの牛たん焼肉用」は、牛たんの皮をむいてスライスしたあとに熟成させた深みのある味わい。塩味と味噌味があり、お土産用の冷凍品も。
仙台名物でもある自社開発商品「イトーの牛たん焼肉用」は、牛たんの皮をむいてスライスしたあとに熟成させた深みのある味わい。塩味と味噌味があり、お土産用の冷凍品も。
弁当の「自家製はらこ飯」より、実はワンランク上の「マリンキッチンのはらこ飯」も総菜で買える。
弁当の「自家製はらこ飯」より、実はワンランク上の「マリンキッチンのはらこ飯」も総菜で買える。
「水産大国」でバーベキュー用に選んだ「宮城県唐桑の牡蠣」など。殻も外してくれる。
「水産大国」でバーベキュー用に選んだ「宮城県唐桑の牡蠣」など。殻も外してくれる。

人気のグルメ。地元食をお土産に!

伊達政宗により繁栄したともいえる「宮城の食文化」と、イトーチェーンの地元愛が引力となって復興の地に大集結! 地域で人気のあの味や、お土産にしたい名産品も。

近所の『宮城ゆりあげ麦酒醸造所』の地ビール。イチゴやブドウを使ったフルーツビール(発泡酒)のほか、本場ドイツやチェコの伝統の味のピルスナー、ヴァイツェン、デュンケルなど種類も豊富。
近所の『宮城ゆりあげ麦酒醸造所』の地ビール。イチゴやブドウを使ったフルーツビール(発泡酒)のほか、本場ドイツやチェコの伝統の味のピルスナー、ヴァイツェン、デュンケルなど種類も豊富。
胃の悪い父を思う心やさしい青年が、400年ほど前に考案したと伝わる油不使用の郷土の味「白石温麺(うーめん)」各種。
胃の悪い父を思う心やさしい青年が、400年ほど前に考案したと伝わる油不使用の郷土の味「白石温麺(うーめん)」各種。
「よっちゃんなんばん」。青唐辛子(南蛮)、醬油、麴で漬ける東北・北海道の「三升漬」が液状に。
「よっちゃんなんばん」。青唐辛子(南蛮)、醬油、麴で漬ける東北・北海道の「三升漬」が液状に。
定義山(じょうぎさん)名物により、宮城の油揚げのスタンタードは特大三角形。「三角揚げ」タレ付き(菅野食品)など。
定義山(じょうぎさん)名物により、宮城の油揚げのスタンタードは特大三角形。「三角揚げ」タレ付き(菅野食品)など。
店長の岩崎勝太郎さん。「おすすめしたい『宮城の味』を数多く用意しています!」。
店長の岩崎勝太郎さん。「おすすめしたい『宮城の味』を数多く用意しています!」。

このトラックに注目!

商品が陳列された古い三輪トラックに「僕の名前は、まつだけさぶろう(マツダK360)」とのPOP。昭和34年(1959)、現社長・伊藤吉一氏の父が魚の行商をスタートさせた車で、同社の原点となるマスコットです。

動画「ご当地スーパー朝・昼・バン!」はこちら!

『フーズガーデンゆりあげ 食彩館』の詳細

住所:宮城県名取市閖上中央2-1-1/営業時間:9:30~21:00(日・祝は9:00~)
/定休日:無(臨時休あり)/アクセス:JR東北本線名取駅から車13分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2023年10月号より