今回のゴー!ゴー!
『大和(やまと)リバーサイドタウン Pio』(岐阜県郡上〈ぐじょう〉市)
外国人客も多い日本屈指の観光地、岐阜県郡上市。人気の理由は情緒ある町並みや、豊かな山のごちそうなど多数あり。とりわけ夏は、郡上八幡の「郡上おどり」に清流・長良川の鮎釣りなど、魅力全開モードです。
この郡上エリアに住む人々にとって、最大規模のショッピングセンター(S.C.)が「大和リバーサイドタウンPio」。人口約6500人の大和町に年間100万人以上が来店し、「奇跡のS.C.」と呼ばれています。
奇跡の始まりは、今から50年前のこと。国道の整備で人の流れが変わったことを危惧した旧商店街の有志が共同出資で開業した、ドライブイン「ヤマトプラザ」の誕生でした。
2000年には、さらなる大きな決断があり、奇跡につながっています。
現在の場所に移転し、「大和リバーサイドタウンPio」を開業しようとした同じ土地で、スーパーなどをチェーン展開する大手企業・バローも開発準備。
バローから「ヤマトプラザ」をテナントにとの誘いがありましたが、逆に共同開発を提案。交渉は成功し、バローをテナントにした、地元民による地元民のためのS.C.『大和リバーサイドタウンPio』が実現したのです。
さて、S.C.といってもユニクロやZARAはありません。その代わり、2020年のリニューアルで、S.C.の中心に広い面積で『YAMATO CAFÉ』を配置。
地元発祥のスーパーや精肉店、ベーカリーなどの食料品店のほか、ドラッグ&コスメ、メガネ、衣料品、クリーニング、理美容、ランドリーなど、生活に欠かせない専門店や飲食店が並ぶローカル色豊かな店をカフェがつなぐ、特徴的な造りになりました。カフェに座って見渡す店内に、見たことのないドライブイン「ヤマトプラザ」の面影を感じます。
そして、ほとんどの店舗のオーナーたちは、親から子へ、すでに2代目オーナーに代替わりを完了。これもまた、現代の日本では奇跡のような話です。
2024年4月、『大和ストアー』はバローの経営になりましたが、これまで支持されてきた自慢の鮮魚、飛騨高山からの産地直送野菜・果物、地元商品などは大切に引き継がれています。
地元食を買うならココ。スーパー&精肉店
奥美濃と飛驒の食文化を感じられる郡上の地元の味。ご当地スーパー『大和ストアー』と、もともと飛騨牛の肥育をしていたという『丸忠精肉店』なら、お土産になる地元食が見つかる。
日がな一日楽しめる! 頼りになる専門店
クリーニング店『洗門館ふるかわ』、理髪店『CLUOD(クラウド)』、視覚や聴覚を助ける『シマザキメガネ』など、地元の生活を支える役割は大きい。もちろん旅人も一日楽しめる。
ウラ側に注目!
店の裏側には長良川が流れ、夏は鮎狙いの太公望が県内外から集結。食材をPioで調達し、河原でバーベキューを楽しむ人たちの姿も見られます。川沿いには写真の「ウインドパーク」があり、車中泊スポットとしても人気。
動画「ご当地スーパー朝・昼・バン!」はこちら!
『大和リバーサイドタウンPio』の詳細
/営業時間:9:30~19:00(食料品は10:00~)
/定休日:第3水/アクセス:長良川鉄道徳永駅から徒歩4分
取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2023年9月号より