今回のゴー!ゴー!
『アル・プラザ長浜』(滋賀県長浜市)
琵琶湖の周りでは、見覚えがあるようでないような、ハトの看板を大量に目にします。関東や東北でなじみあるハトのマークと間違えそうですが、それらとは無関係。平和のシンボルのハトが2羽、「平和堂」の看板です。
1957年に滋賀県彦根市で『靴とカバンの店平和堂』として創業し、滋賀県を中心に近畿・東海・北陸地方でチェーン展開する平和堂グループの店舗は、現在157店!
総合スーパー「平和堂」、近隣型ショッピングセンター「フレンドタウン」、小型食品スーパー「フレンドマート」、そして大型ショッピングセンターと専門店の融合店「アル・プラザ」となっています。
観光地・長浜にある大型店で、日常の買い物だけでなく、週末に家族や友人と過ごす場所でもある『アル・プラザ長浜』。いま、ファンを虜にしているのは、フルーツスイーツを提供する「ジュディフルラボ」です。
季節のフレッシュ果実を使ったジュースやタルト、プリンなどの本格スイーツは、五感を刺激するビタミンシャワー。隣の青果売り場のフルーツをカットして使うため、高品質でフレッシュなのに手頃な価格と、評判です。
一方で、むかしながらの地元食が独特すぎて、ご当地食ファンの心も鷲づかみ(ではなくハトづかみ?)。
ニゴロブナ、モロコなどの貴重な琵琶湖固有種を原料にした豊かな郷土食を、総菜売り場で買える幸せ。旅行者には敬遠されがちな、ニゴロブナとご飯を発酵させた保存食「ふなずし」も、一人分サイズで買えるため、挑戦しやすいのです。チーズを食べ慣れた現代人は、むかしの日本人よりもその旨味を感じ取りやすい気がします。
さらに、ご当地パンで有名なたくあん入り「サラダパン」の不思議なおいしさにも遭遇。
地元食だけでなく、北陸、近畿、東海の食も含む琵琶湖を取り囲む「平和堂」は、時空を超え、さまざまな地域の食が表裏一体となり、まるでメビウスの輪。一度ハマると逃れられないのです。
琵琶湖の恵みと長浜の地元食
琵琶湖の周りに出店する戦略で、滋賀県を代表するスーパーとなった「平和堂」。琵琶湖の恵みを生かした郷土料理の数々を総菜として買えるだけでなく、湖北、湖南で食文化が違うため、各店で品ぞろえも変化する。
「平和堂」オリジナルこだわりの「E-WA!」
「平和堂」が各地から厳選して取り寄せ、または独自に開発するこだわりブランドが「E-WA!(イーワ)」。食品だけでなく、生活にかかわる衣食住のカテゴリーで展開する。もちろんそれ以外のオリジナル商品も魅力的なものが多い。
「鴨肉」の棚に注目!
琵琶湖ではむかし、鮮魚店で鴨肉を扱っていました。湖の漁師たちが網にかかった天然の鴨を売ったからです。現在でも冬は郷土食「鴨鍋」の需要が高く、精肉売り場では滋賀のブランド合鴨「おうみがも」が人気。
『アル・プラザ長浜』の詳細
取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2024年8月号より
※記事の内容は、2024年8月号掲載時の情報です