森、海、花……あなたの好みは?

圧倒的な票数を誇ったのが北海道でした。ずばり北海道と書いていた方から、具体的な地名を挙げてくれた方までさまざまでしたが、それらすべてを合わせて1位としています。北海道のなかでの得票数のランキングは1位美瑛・富良野、2位知床、3位釧路湿原という結果に。惜しくも選外でしたが、大雪山や利尻島も人気でした。コメントでよく目にしたのが、「四季折々の美しさが楽しめる」という意見。桜、新緑、紅葉、雪景色と、季節で異なる魅力を見せてくれるのが大自然の良さだなと、改めて思いました。

 

【第10位】高千穂峡(宮崎県高千穂町)

柱状節理が浸食されてできたV字峡谷。天孫降臨神話と岩戸神話が息づく地でもある。

☆アンケートの声…「渓谷の造形美と天孫降臨の地の神秘を体感したい」「神話の地を歩きたい」「立ち並ぶ柱状節理に圧倒された」

貸しボートで渓谷の自然を体感できる。落差約17mの真名井の滝は必見!
貸しボートで渓谷の自然を体感できる。落差約17mの真名井の滝は必見!
高天原神話、日向神話の二つの神話が残る。写真は天照大神が岩戸に隠れた際に、八百万の神が神議をした大洞窟。
高天原神話、日向神話の二つの神話が残る。写真は天照大神が岩戸に隠れた際に、八百万の神が神議をした大洞窟。

【第9位】鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)

長い年月をかけて造形された海岸砂丘。時刻や四季によって刻々と変化する姿が魅力。

☆アンケートの声…「変化していく砂の模様に思わず見とれてしまった」「砂丘を上ったときに見えた海の青々とした美しさがいまでも忘れられない」「夕暮れどきの情景がいい」

砂丘は風の強さや方向によって絶えず姿を変える。(写真/鳥取県)
砂丘は風の強さや方向によって絶えず姿を変える。(写真/鳥取県)
ラクダのライド体験や記念撮影を楽しもう。(写真/鳥取県)
ラクダのライド体験や記念撮影を楽しもう。(写真/鳥取県)

【第8位】白神山地(青森県・秋田県)

青森県・秋田県にまたがり、約13万haにおよぶ原生的ブナ林が広がる。

☆アンケートの声…「手つかずの自然が残っていた」「太古の日本を連想するような雄大な自然で、偉大さと神々しさを感じた」「十二湖に行ってみたい」

ブナ林は1993年に、屋久島とともに日本で最初の世界自然遺産に登録された。
ブナ林は1993年に、屋久島とともに日本で最初の世界自然遺産に登録された。
白神山地西部に点在する十二湖のうち、鮮やかなコバルトブルーが神秘的な青池。
白神山地西部に点在する十二湖のうち、鮮やかなコバルトブルーが神秘的な青池。

【第7位】石垣島(沖縄県石垣市)

沖縄本島から南西に約410km離れたところにある島。美しい海はダイビングやシュノーケリングスポットとしても人気。

☆アンケートの声…「海の色彩が素晴らしく、心癒やされた」「生命の息吹を感じる場所だった。今度はシュノーケリングをしてみたい」

白亜の平久保崎灯台と、変化に富むブルーの海とのコントラストに見とれる。(写真/沖縄観光コンベンションビューロー)
白亜の平久保崎灯台と、変化に富むブルーの海とのコントラストに見とれる。(写真/沖縄観光コンベンションビューロー)
エメラルドグリーンの川平(かびら)湾は、島でも随一のビュースポット。(写真/沖縄観光コンベンションビューロー)
エメラルドグリーンの川平(かびら)湾は、島でも随一のビュースポット。(写真/沖縄観光コンベンションビューロー)

【第6位】上高地(長野県松本市)

北アルプスの登山口で、山岳景勝地として名高い。本格登山はもちろん、初心者でものんびり山岳美を堪能できる。

☆アンケートの声…「清く澄んだ川とその向こうに見える山が美しい」「何度行っても穂高の雄大な眺めは感動する。夏なのに涼しいところもいい」「あれだけの素晴らしい景色はないと思う」

澄みきった梓川の背後には、雄大な穂高連峰が広がる。
澄みきった梓川の背後には、雄大な穂高連峰が広がる。
周辺の光が少なく、星空観賞にもぴったり。
周辺の光が少なく、星空観賞にもぴったり。

【第5位】阿蘇(熊本県阿蘇市)

縄文時代から人々の手で守られてきた草原と、世界最大級のカルデラが雄大な自然を織りなす。火山がもたらす良質な温泉も阿蘇旅の楽しみの一つ。

☆アンケートの声…「地球の鼓動を感じる。日本とは思えない景色」「雄大な草千里の絶景が最高」

標高約1,100mにあたる草千里は、牧歌的な阿蘇の原風景を眺められる絶好のロケーション。
標高約1,100mにあたる草千里は、牧歌的な阿蘇の原風景を眺められる絶好のロケーション。
阿蘇の町や阿蘇五岳を一望する大観峰。
阿蘇の町や阿蘇五岳を一望する大観峰。

【第4位】富士山(山梨県・静岡県)

『万葉集』などでも詠われ、古来日本で信仰の対象とされてきた。数多くの芸術作品の題材にもなってきた優美な姿で、まさに日本の象徴。

☆アンケートの声…「50歳、60歳と節目に登った。70歳はコロナで断念したが、また登りたい」「日本の最高峰で、神々しく美しい山容」「一度登山し、頂上から日本一の景色を見てみたい」

日本一の山には絶好のビュースポットも多数。写真は静岡県富士宮市柚野の水田に反射する姿。(写真/静岡県観光協会)
日本一の山には絶好のビュースポットも多数。写真は静岡県富士宮市柚野の水田に反射する姿。(写真/静岡県観光協会)
山梨県富士吉田市の新倉山佐沼公園からは、富士山、桜、五重塔を一度に楽しめる。(写真/富士吉田市)
山梨県富士吉田市の新倉山佐沼公園からは、富士山、桜、五重塔を一度に楽しめる。(写真/富士吉田市)

【第3位】立山・黒部峡谷(富山県立山町・黒部市)

北アルプスの自然を肌で感じる山岳観光スポット。立山黒部アルペンルートの最高地点にある室堂は、眼前に標高3000m級の山々が迫り、まさに天空の別天地だ。黒部峡谷は切り立った日本一深いV字峡を形成し、自然の力強さを物語っている。開放的なトロッコ電車では、新緑や紅葉など季節の風景を間近に感じる旅が叶えられる。ロープウェイからの眺めや黒部ダムなども人気だった。

☆アンケートの声…「室堂は空が近く、雲が手にとれそうなくらい近くに感じ別世界のよう」「黒部峡谷の大自然は素晴らしい」

室堂にあるみくりが池は絵画のような美しさだ。(写真/立山黒部アルペンルート)
室堂にあるみくりが池は絵画のような美しさだ。(写真/立山黒部アルペンルート)
春の室堂平に出現する雪の大谷。高さ約20mの巨大な雪の壁がそびえ立つ。(写真/立山黒部アルペンルート)
春の室堂平に出現する雪の大谷。高さ約20mの巨大な雪の壁がそびえ立つ。(写真/立山黒部アルペンルート)
トロッコ電車に揺られながら眼下に広がる峡谷美を堪能できる。(写真/黒部峡谷鉄道)
トロッコ電車に揺られながら眼下に広がる峡谷美を堪能できる。(写真/黒部峡谷鉄道)

【第2位】屋久島(鹿児島県屋久島町)

島の90%を森林が占める、神々しいパワーに満ちた島。「ひと目見たい」との声も多い、森の奥深くに潜む縄文杉や、ジブリ作品『もののけ姫』のモデルとされる白谷雲水峡など、トレッキングをしながら太古の自然を体感できる。荒々しい滝や透明度の高い海も見どころだ。

☆アンケートの声…「森の中にいると、自分が消えてしまったかのように思えた」「縄文杉を一度この目で見てみたい」「まさに大自然。森はもちろん、海や滝もきれいだった」

苔に覆われた白谷雲水峡は深山幽谷の趣。雨上がりにはキラキラと輝く。(写真/photolibrary)
苔に覆われた白谷雲水峡は深山幽谷の趣。雨上がりにはキラキラと輝く。(写真/photolibrary)
推定樹齢2170~7200年の縄文杉。圧倒的な存在感を放つ。※縄文杉は自然環境保護のため写真のとおりの姿は見られません。(写真/鹿児島県観光連盟)
推定樹齢2170~7200年の縄文杉。圧倒的な存在感を放つ。※縄文杉は自然環境保護のため写真のとおりの姿は見られません。(写真/鹿児島県観光連盟)
約1㎞続く永田いなか浜は、多くのウミガメが産卵に訪れる。(写真/photolibrary)
約1㎞続く永田いなか浜は、多くのウミガメが産卵に訪れる。(写真/photolibrary)

【第1位】北海道

広い大地とありのままの自然が楽しめる北海道は、とにかくスケールがダイナミック! 大自然が織りなす絶景は、誰もが一生に一度は見てみたいと憧れるものばかり。一つのエリアに複数の見どころがあるのも魅力。

美瑛・富良野

十勝岳連峰の山麓に位置する美瑛・富良野エリアには、なだらかな丘を利用した色鮮やかな花畑が広がる。特にラベンダー畑は北海道の夏を代表する風景だ。

☆アンケートの声…「広い空にラベンダー畑が映えて、とてもきれいだった」「カレンダーにしたい景色!」

丘一面を紫色に染める、深山峠ラベンダーオーナー園のラベンダー畑。見頃は7月上~中旬。
丘一面を紫色に染める、深山峠ラベンダーオーナー園のラベンダー畑。見頃は7月上~中旬。

知床

2005年に世界自然遺産に登録された知床。原生林に囲まれた知床五湖や温泉が流れ込むカムイワッカ湯の滝は人気の景勝地だ。厳冬期の流氷にも圧倒される。

☆アンケートの声…「季節によって風景が変わるのが魅力」「知床五湖の遊歩道を歩いて道東の大自然にどっぷり浸かりたい」

ウトロ海岸の流氷。日本ではオホーツク海でしか見られない。シーズンは1月下旬~3月上旬。
ウトロ海岸の流氷。日本ではオホーツク海でしか見られない。シーズンは1月下旬~3月上旬。

釧路湿原

山手線がすっぽりと収まる日本最大の湿原。どこまでも続く水平な大地に地球のロマンを感じる。夏はみずみずしい緑に覆われ、希少な動植物を観察できる。

☆アンケートの声…「広大な湿原が手つかずの状態で残る」「カヌーやカヤックから見た湿原の風景が忘れられない」

サルルン展望台からはサルルン沼と湿原を走る釧網本線が一望できる。(写真/photolibrary)
サルルン展望台からはサルルン沼と湿原を走る釧網本線が一望できる。(写真/photolibrary)

文=香取麻衣子、本誌編集部

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