今回のルートはこちら!
「ことでん」の愛称で親しまれる高松琴平電気鉄道は、高松市を中心に3路線(琴平線、長尾線、志度線)を運行。明治時代にルーツをもつ歴史あるローカル私鉄だ。
今回は高松築港駅と琴電琴平駅を結ぶ、全長32.9㎞の琴平線をセレクト。旅のテーマは、讃岐うどんとこんぴらさん。
まずは腹ごしらえ。朝うどんが当たり前な香川では、6時台から営業しているうどん店も多い。庁舎やオフィス、住宅が立ち並ぶ高松の中心街にある『さか枝うどん』は自分で麺を温め、出汁を入れるセルフスタイル。
この旅では讃岐うどんをハシゴしたいから、趣向の異なる3店舗を。そんな選択ができるのも“うどん県”ならではだ。
【瓦町駅】伝統と革新を続ける讃岐うどんの名店『さか枝うどん 本店』
昭和38年(1963)に製麺所として創業。自家製麺はつるりとした喉ごしが魅力で、いりこ、カツオ、昆布を合わせた出汁はすっきり。代表は伝統の味を守りつつ、新たな発想でキャラクターやお土産などの商品開発にも励む。
☎087-834-6291
7:00~15:00、土・日休
香川県高松市番町5-2-23
瓦町駅から徒歩16分
【栗林公園駅】毎朝、心を込めて打つ麺がうまい! 『麺匠 くすがみ』
食感の異なる青ネギと牛肉がたっぷりの「ねぎねぎ肉うどん」や、「ホルモンのつけうどん」などの変わり種メニューが好評。打ちたて、茹でたての麺は、ほどよくもっちり&喉ごしがいい。1玉300gとボリュームも満点だ。
☎087-880-5496
10:00~14:15LO、火休
香川県高松市楠上町2-6-36
栗林公園駅から徒歩6分
【栗林公園駅】香川が誇る名園を堪能「栗林公園」
高松市内中心部を抜け、列車は仏生山駅へ。
仏生山は法然寺の門前町として栄えた地域。駅前から少し歩くと江戸情緒が残る、お成り街道なる町並みが現れ、その先には高松藩主・松平家の菩提寺である法然寺や、自然豊かな公園があるので散策を。
【仏生山駅】境内で味わう、ほっこり滋味うどん『本格手打ちさぬきうどん 竜雲』
法然寺の境内にあるうどん店。社会福祉法人が営み、利用者のみなさんが元気に迎えてくれる。香川県産小麦「さぬきの夢」の全粒粉を加えた麺は栄養価が高く、香り豊か。冷水でキュッと締めたつけうどんで味わいたい。
☎087-889-1217
11:00~14:30、火・金休
香川県高松市仏生山町甲3207-2
仏生山駅から徒歩24分
戻ってきたら、仏生山温泉でひとっ風呂。露天風呂には熱めとぬるめの浴槽があり、贅沢に温泉での温冷交代浴が楽しめるのもいい。
【仏生山駅】いつまでも浸かっていたい炭酸泉の気持ちよさ『仏生山温泉』
建築家でもある支配人が設計し、地元に開いた温泉施設。広々とした露天風呂はかけ流しで、細かな泡のシュワシュワ感が肌に心地いい。長湯して湯船で読書する人を見かけたことから、館内には50m書店が誕生。
☎087-889-7750
11:00~24:00(土・日曜・祝日は9:00~)
火休(祝日の場合は翌日)
700円
泉質/ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
香川県高松市仏生山町乙114-5
仏生山駅から徒歩9分
仏生山駅から先の沿線には、のどかな田園風景が広がる。車窓を眺めていると、線路に向けてカメラを構える人がいた。
ことでんには、京急電鉄や京王電鉄、名古屋鉄道などから譲り受けた車両が多く、製造から半世紀を超えたいまも現役。そんなレトロ車両の第2の人生を見届けるために訪れる人も多いそう。
終点は琴電琴平駅。いよいよこんぴら詣でだ。表参道の入口で杖を借り、785段の石段を上って御本宮を目指す。
参道沿いには土産物店が軒を連ね、429段目には神様専用の馬である「神馬(しんめ)」の姿も。2026年は午(うま)年。こちらもお参りしておこう。
【琴電琴平駅】785段踏み締め、こんぴらさんへ「金刀比羅宮(ことひらぐう)」
参拝を終えたら、ちょうど小腹がすいてきた。お目当ては、新町商店街にある平岡精肉店のメンチカツと牛肉コロッケ。
やたらと参拝客が頬張っているのを見かけて、気になっていたのだ。しかも店の前には行列ができている。平岡さん夫妻が揚げたてを提供してくれるそれは、ジュワッとお肉の旨味がたまらない。
新町商店街には近年誕生したブルワリーもあり、昼からクラフト生ビールという幸せも。
ほろ酔い気分で再び列車に乗ると、時刻は夕方、次第に部活帰りの学生たちや会社帰りの人々の姿が増えていく。ことでんは旅人を運ぶだけでなく、香川の日常そのものを見せてくれる存在なのだろう。
新町商店街に寄り道しよう♪
こんぴらさんの参道から逆方向に続くアーケード街。近年は空き店舗を活用した飲食店やゲストハウスが誕生し、盛り上がりを見せている。●琴電琴平駅から徒歩4分(平岡精肉店)。
平岡精肉店
肉汁たっぷり、平岡ママのミンチカツ350円は門前グルメの代表格。肉コロッケ230円も人気で、正月には一日3000個売れたそう!
琴平文具店
大人もときめく文具がそろう。カバーの色、素材、留め具などすべて自分好みに選べるノートづくり体験が楽しい。
呑象(どんぞう)ブリューイング
店内醸造のビールを生で満喫しよう。ことひらケルシュはS700円。自家製からあげ3個600円、呑象スナック500円。
取材・文=本田亜由美
撮影(麺匠 くすがみ、仏生山温泉の露天風呂を除く)=西森ちえみ(ORDI)
『旅の手帖』2026年4月号より







