「東京発日帰り、ユニークな栃木の酒蔵を訪ねる“呑み鉄”旅」のルートはこちら!
【日帰り】
東京駅→東北本線・烏山(からすやま)線→烏山駅→烏山線・東北本線→東京駅
東京駅→烏山駅 洞窟のある酒蔵へ
最初の目的地は清酒「東(あずま)力士」の醸造元『島崎酒造』。宇都宮駅から烏山線に乗り換え、終点の烏山駅から10分ほど歩くと到着だ。約50年前から大吟醸酒の低温熟成に取り組み、なんと! 洞窟を熟成庫に使う。
「洞窟内の温度は平均10度。季節で5度ほど上下しますが、それが日本酒の熟成にはいいようです」と、6代目蔵元の島崎健一さん。どうくつ熟成酒「熟露枯(うろこ)」の20年熟成を有料試飲すると、なめらかで奥深い味わいに、ニンマリとほほえんだ。
【烏山駅】『島崎酒造』夏もひんやり涼しい洞窟でゆったりと大吟醸酒を熟成
嘉永2年(1849)創業。相撲好きの2代当主が命名した「東力士」は食中酒として人気が高い。近年は、最長20年まで洞窟内で大吟醸酒を預かるオーナーズボトル1万1000円~を実施。子どもや孫の誕生時に購入し、成人祝いにする利用者も多い。
☎0287-83-1221
9:00~17:00(洞窟見学は土・日・祝の10:00~16:00、200円〈平日は10:30~・14:00~、要予約〉)、無休
栃木県那須烏山市中央1-11-18
JR烏山線烏山駅から徒歩10分
【烏山駅】『焼きそばの店 かまぎん』那須烏山市の隠れた名物! 焼きそば専門店の味を守る
那須烏山市の旧烏山町には、昭和50年代まで製麺所がいくつかあり、焼きそば専門店が6店ほど存在。その伝統の味を守る老舗がここ。乾麺を茹でずに二度蒸した麺が特徴で、コシが強く特製ソースがよく絡む。
☎0287-83-1028
11:00~18:30、月休
栃木県那須烏山市中央1-4-4
JR烏山線烏山駅から徒歩15分
【烏山駅】駅にいるよ、探してみてね!
烏山駅→小山駅 はしご酒のあと、革新的な酒蔵へ
那須烏山市の隠れた名物・焼きそばや、宇都宮駅で立ち飲みを楽しんだら、小山(おやま)駅に出て『西堀酒造』へ。いま話題の「ILLUMINA(イルミナ)」を購入したかったのだ。この日本酒は世界唯一のアクリル製透明タンクを仕込みに使い、LEDライトを当てて発酵をコントロールする。
「同じ原料を使いながら短い波長の青い光を当てると甘口に、長い波長の赤い光を当てると辛口になります」と、6代目蔵元の西堀哲也さん。
半信半疑で試飲すると、まるで味が違うのに驚く。栃木の酒蔵、恐るべし! 次は1泊でめぐるとしよう。
【宇都宮駅】『嶋田屋酒店 宮みらい店』選りすぐりの地酒を店内で飲み比べ
大正元年(1912)創業の老舗酒店が、宇都宮駅の駅ビルに出店。社長みずから栃木県内はもちろん、日本全国の酒蔵を訪問し納得のいく商品を仕入れる。日本酒、焼酎、日本ワイン、日本ウイスキーなど200種以上をそろえる。
☎028-688-8251
11:00~20:30(立ち呑みは~20:00LO)、無休
栃木県宇都宮市宮みらい1-1 Utsunomiya Terrace 2F
JR東北本線宇都宮駅から徒歩1分
【小山駅】『西堀酒造』型にはまらない、斬新な酒造りに挑戦!
明治5年(1872)創業。多彩な料理に合う「門外不出」は濃醇(のうじゅん)旨口の食中酒で、地元で9割が消費されるため、県外では入手しづらいレア商品になっている。近年は蒸溜所を新設し、日本酒酵母を使ったウイスキーも製造。
☎0285-45-0035
アンテナショップは10:30~17:30(土・日・祝は10:00~17:00)、無休
酒蔵見学は14:00~15:30(ホームページから要予約)、無休。1000円~(記念品・試飲付き)
栃木県小山市粟宮1452
JR東北本線小山駅からバス15分の西堀酒造前下車すぐ
取材・文・撮影=内田 晃
『旅の手帖』2024年7月号より