「渓流スローライフ」を送る拠点に

ロビーでは、色づいた木々を映し出す大きな窓と岡本太郎作の巨大な暖炉がお出迎え。
ロビーでは、色づいた木々を映し出す大きな窓と岡本太郎作の巨大な暖炉がお出迎え。

ホテルが立つのは、新緑や紅葉を楽しむハイカーたちに圧倒的な人気を誇る奥入瀬渓流沿い。

奥入瀬渓流とは、十和田湖から流れ出る奥入瀬川の上流約14㎞のこと。特別保護地区、国指定の天然記念物、特別名勝として指定されており、豊かな自然が守られている。

カツラ、ブナをはじめとした樹木や約300種の苔などの植物、カモシカ、テンといった動物が生息し、渓流沿いには遊歩道が整備されているので、気軽に大自然を感じられるのも人気の理由の1つ。一度は行ってみたいと、多くの人が憧れる渓流だ。

紅葉×温泉を満喫する贅沢プログラム

「八重九重の湯」では、絵画のような紅葉を独り占め(10月下旬~11月上旬)。
「八重九重の湯」では、絵画のような紅葉を独り占め(10月下旬~11月上旬)。

そんな奥入瀬渓流で唯一無二の紅葉狩りを楽しむなら、2025年10月から始まったプログラム「秋の贅沢紅葉温泉」を予約しよう。

どんなプログラムかというと、まずはホテルから車で5分ほどの場所にある露天風呂八重九重(やえここのえ)の湯」で紅葉を独り占めする。

一日1組限定で「八重九重の湯」を貸切利用できるのだ。色鮮やかな紅葉と高さ約7mの滝を望み、湯の花が広がる温泉に浸かりながら、全身で大自然を浴びる時間は至福のひととき——。

紅葉温泉を楽しんだら、「紅葉シャンパーニュカクテル」で乾杯! 

湯上がり後も贅沢に過ごせるよう、ホテルのソムリエが厳選したシャンパーニュカクテルが用意されている。淡い赤色が徐々に色づき、鮮やかに変化する紅葉のグラデーションをイメージ。ハチミツやスパイスのような甘く複雑な香りが広がり、なんとも優雅な気分に。

「紅葉シャンパーニュカクテル」。キャラメルのような甘い香りを放つカツラを彷彿とさせる香り。
「紅葉シャンパーニュカクテル」。キャラメルのような甘い香りを放つカツラを彷彿とさせる香り。

さらに2日目は、国立公園内でそのとき一番美しい紅葉と伝統の名湯を案内する「温泉紅葉プライベートツアー」が待っている。

「温泉紅葉コンシェルジュ」が、国立公園内のおすすめスポットの中から、そのとき一番美しい紅葉の絶景へと案内。江戸時代から続く混浴文化を楽しめる酸ヶ湯(すかゆ)温泉、2種類の異なる泉質が堪能できる秘湯・谷地(やち)温泉、文豪も愛した1000年の歴史を誇る蔦(つた)温泉など、秋ならではの特別な時間を過ごせるツアーだ。

「温泉紅葉プライベートツアー」へ。
「温泉紅葉プライベートツアー」へ。
北八甲田連峰の眺望が美しい睡蓮沼は、谷地温泉とセットで訪れる。
北八甲田連峰の眺望が美しい睡蓮沼は、谷地温泉とセットで訪れる。

秋の贅沢紅葉温泉●2025年11月10日まで。1名あたり1万8000円~(宿泊料金は別途)。

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渓流を味わいつくす、ラグジュアリーな客室

縦1.8m、横1mの客室温泉。好きな時間に好きなだけ湯浴みできる。
縦1.8m、横1mの客室温泉。好きな時間に好きなだけ湯浴みできる。

極上の紅葉狩りは、泊まる部屋にもこだわりたい。「渓流と過ごす、ごほうび。」がテーマの渓流スイートルームに決まり。室内にいながらにして、せせらぎや自然に癒やされる、広さ120㎡のラグジュアリーな客室だ。

渓流を見下ろす広々とした客室温泉をはじめ、こぶしの木を使ったインテリアウォールや本物の苔を使った壁画が飾られ、まるで森の中でくつろいでいるかのよう。

渓流側に張り出したコンサバトリー(*)では、贅沢なサービスも。ホテルのフレンチレストラン『Sonore(ソノール)』のみで提供している銘醸ワインのほか、客室限定の特別朝食もここで味わえる。

(*)主にイギリスで18世紀頃に誕生した建築スタイル。自然に張り出した空間で、日の光を浴びながら楽しむスペース。

コンサバトリーはホテルの中庭を見下ろしながらくつろげる空間。
コンサバトリーはホテルの中庭を見下ろしながらくつろげる空間。
特別朝食のスペシャリテは、北欧発祥のオープンサンド、スモーブロー。
特別朝食のスペシャリテは、北欧発祥のオープンサンド、スモーブロー。

渓流スイートルーム●1名あたり8万9090円(2名1室利用時。夕・朝食付き)。

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フレンチレストランで青森の旬の美味とワインに酔いしれる

瀬音が耳に心地いいテラス席でアペリティフを。
瀬音が耳に心地いいテラス席でアペリティフを。

渓流スイートルームはビュッフェレストランでの夕食付きだが、瀬音に包まれながら旬の食材を駆使したフランス料理と銘醸ワインを味わえる、フレンチレストラン『Sonore』へのアップグレードもおすすめ。

渓流を望むテラスでのアペリティフ(食前酒とおつまみを楽しむこと)からスタート。夕日に照らされ輝く渓流を眺め、せせらぎを聞きながらの大人の時間は、渓流沿いに立つレストランならではの体験だ。

メインのコース料理は、屋内のダイニングへ移動していただく。岩や木をモチーフにしたインテリアの落ち着いた空間で、ゆったりと食事を楽しみたい。

素材の味を生かしながら青森らしさを表現した料理に合わせるのは、約150種、2000本も用意された銘醸ワイン。それぞれの料理に合うペアリングも提案してくれる。

木の温かみを感じるメインダイニングに席を移して、フルコースをいただく。
木の温かみを感じるメインダイニングに席を移して、フルコースをいただく。
冷前菜「サーモン クレソン」。
冷前菜「サーモン クレソン」。

Sonore●ディナー2万1780円(ビュッフェレストランからのアップグレードは1万5730円)。3日前の13時までに公式サイトで受付。

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五感が喜ぶ2つのアクティビティ

星野リゾートのホテルはアクティビティが充実しているので、参加しない手はない。秋は「渓流コンシェルジュ」が案内する、2つのアクティビティがおすすめ。

①「絶景紅葉さんぽ」
「渓流コンシェルジュ」とともに、早朝の静かな時間に、その時期に奥入瀬渓流の最も美しいスポットをゆっくり散策する。ただ景色を見流すのではなく、自然の中に身をゆだね、五感で季節の移ろいを感じながら、色づく渓流沿いを歩く。
●2025年10月11日~11月3日。3850円。公式サイトまたは前日の18時までに現地で受付。

②「渓流オープンバスツアー」
2階建てのオープンバスで渓流沿いを走行するため、圧倒的な開放感を得られ、いつもと違う目線で紅葉が楽しめる。黄から橙へと変化するブナやカツラの木々の色や野鳥のさえずり、ふわりと漂うカツラの木の香りを存分に感じられる。
●2025年11月上旬まで。奥入瀬渓流(焼山~子ノ口間)を往復運行。3850円。公式サイトまたは前日の18時までに現地で受付。

オープンバスから目に映るのは360度の絶景。同乗する「渓流コンシェルジュ」の知的好奇心をくすぐるトークも!
オープンバスから目に映るのは360度の絶景。同乗する「渓流コンシェルジュ」の知的好奇心をくすぐるトークも!
住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231/アクセス:東北新幹線八戸駅から車1時間30分(無料送迎バスあり、要予約)

文=岡崎彩子 協力=奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート