器ギリギリ麺は県民への愛の証し『ラーメンショップ チャイナタウン』【秋田県秋田市】
1984年創業。県民なら誰しもが知る、秋田ちゃんぽんの発祥といわれる店。あんがあふれそうなほどに注がれた、みそちゃんぽん1000円は、味噌と野菜や肉をブレンドして作り上げられたここだけの味で、寒い秋田に住む人々を思う気持ちから誕生した。具材は豚肉やイカ、エビ、タケノコなどの10種。ほかに塩、醬油味もある。
『ラーメンショップ チャイナタウン』店舗詳細
和風仕立ての我流がいまや大定番に『近江ちゃんぽん亭 本店』【滋賀県彦根市】

近江ちゃんぽんの元祖『麺類をかべ』の経営を引き継ぎ、1989年に開業。和食がベースの近江ちゃんぽんのスープは、鈴鹿山系のまろやかな地下水で取る和風出汁に、地元の老舗・「丸又醬油」の熟成醬油を合わせている。麺は長崎のちゃんぽんでおなじみの唐灰汁(とうあく)麺ではなく中華麺、具材には魚介は入れず豚肉と野菜を使うなど、その違いは顕著。注文ごとに一杯ずつ手鍋で仕上げる。
『近江ちゃんぽん亭 本店』店舗詳細
定番にひとひねり。地元に愛される味『らーめん本気(まじ)』【滋賀県彦根市】
『麺類をかべ』の創業者である叔父から受け継いだ、むかしながらの味を大切に作るあんかけちゃんぽんが名物。素材に合わせてカツオやイワシの削り節、昆布などの配合を微妙に変えて完成させるスープは、出汁の風味が豊かでとろりと濃厚、体に染みわたる。スープの下には、たっぷりの野菜と細めの麺がひそむ。
『らーめん本気』店舗詳細
あんかけが唯一のルールでアレンジ自由! 『星屋』【兵庫県尼崎市】
昭和の高度成長期に、長崎をはじめとする九州出身者が尼崎の町工場へ集団就職してきた。彼らのふるさとの味であるちゃんぽんが食べられるようになったことが、尼崎あんかけチャンポンの始まり。この店の一杯は豚骨、鶏ガラに加え、カツオ、イリコ、昆布、シイタケなど山海の出汁を合わせた旨味の濃いスープが自慢だ。
『星屋』店舗詳細
やさしい辛さのカレー味は追い飯も美味『炭火焼鳥とジンギスカン 北の大地』【鳥取県鳥取市】
カレールーの購入額が全国1位(平成25~27年総務省の家計調査)を誇る鳥取市で、2014年に誕生。もともと山陰地方ではあんかけちゃんぽんが親しまれていたこともあり、見事に二つのメニューのコラボレーションが実現した。魚介出汁とカレーをブレンドした、やさしい辛さのスープが特徴。麺を食べ終わったらぜひ、追い飯を!
『炭火焼鳥とジンギスカン 北の大地』店舗詳細
太めのもっちり麺に醬油スープが基本『丸山ちゃんぽん』【愛媛県八幡浜市】
1948年に開業した、八幡浜(やわたはま)ちゃんぽん一番の老舗。親戚を訪ねて今治(いまばり)市に行った初代が、そこで味わった料理からヒントを得て研究したと伝わる。当初はカツオ節や昆布で取った和風出汁に中華麺を合わせていたが、2代目がスープに鶏ガラを加え、より甘みとコクが深まった味わいに。
『丸山ちゃんぽん』店舗詳細
ポークとシイタケの旨味が絶妙なおいしさ『ひがし食堂』【沖縄県名護市】
沖縄でちゃんぽんといえば、長崎のそれとは一線を画す、沖縄生まれのご飯料理のこと。名護市にあるこの店のちゃんぽんは、そば出汁を入れて煮込み、食感を残したシャキシャキの野菜と濃いめの味つけに仕上げ、卵でとじてラーメン丼に盛りつける。食後には、ふわふわの氷がのったぜんざいもお忘れなく。
『ひがし食堂』店舗詳細
発祥の店で味わう元祖沖縄ちゃんぽん『お食事処みかど』【沖縄県那覇市】
1961年創業。那覇のメインストリートに店を構えるお沖縄ちゃんぽん発祥の店。ちゃんぽんを目当てに県外から訪れるお客さんも多く、注文は全体の4分の1を占める。旨味たっぷりの出汁の味を生かし、調味料は最小限。具材には、牛肉のミンチと小さくカットされたポテトを混ぜた、コンビーフハッシュを使用する。一日2回入荷する豆腐を使った料理もおすすめ。
『お食事処みかど』店舗詳細
一人前あたり1個分のタマネギを使用『お食事処三笠』【沖縄県那覇市】
創業は1966年。タマネギと合い挽き肉というシンプルな材料で作られるのが三笠スタイル。たっぷりと使うタマネギは、切り口が潰れてベチャベチャにならないよう、機械ではなく手作業でみじん切りにするのがおいしさの秘密。甘辛く素朴な味が人気を集める。
『お食事処三笠』店舗詳細
取材・文=桑野詠子、藤川 満、阿部美岐子、松本佳恵、『旅の手帖』編集部 撮影=高見尊裕、藤川 満、松本佳恵、『旅の手帖』編集部
『旅の手帖』2024年1月号より