「伊予灘ものがたり」のルートはこちら!

なんといっても海絶景

「お気軽にお声がけください!」。
「お気軽にお声がけください!」。

全国随一の人気を誇り、2024年に運行10周年を迎えた「伊予灘ものがたり」。

大洲(おおず)編・双海(ふたみ)編・八幡浜(やわたはま)編・道後編の一日4便で、それぞれに魅力があるが、いずれも通るのが下灘(しもなだ)駅だ。伊予灘の目の前に立ち、フォトスポットとして知られる無人駅には長めに停車するので、ホームから絶景を堪能しよう。

下灘駅を含めた高野川(こうのかわ)~伊予長浜間はシーサイドビューが素晴らしく、特に八幡浜駅から松山駅へ向かう道後編では、秋や春に美しい夕日が見られる。

下灘駅では約10分停車する。
下灘駅では約10分停車する。
手を伸ばせば届きそうなほど、伊予灘が近くに感じられる。
手を伸ばせば届きそうなほど、伊予灘が近くに感じられる。
食事は砥部(とべ)焼などこだわりの器で供される。
食事は砥部(とべ)焼などこだわりの器で供される。

鉄道の達人の声 ~漫画家&文筆家 やすこーん

3両編成になったことでギャレー(キッチン)が広くなり、温かい料理も出せるようになったのだそうです。車両デザインを担当されたJR四国の松岡哲也さんからお聞きしました。

多彩な食事やドリンクに目移り

地元レストランの料理長プロデュースの食事も魅力で、大洲編はモーニング、双海編は内子杉の木箱入りのお膳、八幡浜編はフレンチ、道後編はアフタヌーンティーセットと多彩だ。地ビールや日本酒、オリジナルカクテル、愛媛産のみかんジュースなど、ドリンクも充実している。

 

伊予柑リキュールを使用したオリジナルカクテル「黄昏(たそがれ)」もグラスで乾杯。
伊予柑リキュールを使用したオリジナルカクテル「黄昏(たそがれ)」もグラスで乾杯。
目にも華やかな内子杉の木箱で彩る和杉膳(わさんぜん)5500円は、双海編のメニュー(内容は季節により変動)。
目にも華やかな内子杉の木箱で彩る和杉膳(わさんぜん)5500円は、双海編のメニュー(内容は季節により変動)。
定員8名の個室「Fiore Suite(フィオーレ スイート)」を予約して、さらに特別感ある旅を味わうのもいい。
定員8名の個室「Fiore Suite(フィオーレ スイート)」を予約して、さらに特別感ある旅を味わうのもいい。

沿線のみなさんのお手振りがすごい!

そして乗客が最も驚くのが、沿線住民によるおもてなしの盛大さ。

五郎駅付近の沿線では「だんだん(伊予弁で「ありがとう」)」のうちわ、伊予大洲駅近くの大洲城からは幟旗(のぼりばた)が振られる。

地元の人たちの楽しそうな笑顔に引き寄せられ、乗客も手を振り返す。次々と繰り出される歓迎の嵐に包まれ、「また乗りたい」と心が動かされる列車なのだ。

沿線住民による歓迎ポイントは数えきれないほど。
沿線住民による歓迎ポイントは数えきれないほど。

鉄道の達人の声 ~『鉄道ダイヤ情報』前編集長 助川和彦

「だんだん」のうちわや着ぐるみ、お手振り、シャボン玉など、沿線のおもてなしがハンパない! お酒にもこだわっているので、道後編でおつまみセットを嗜みつつ松山に戻るのが◎。

伊予上灘駅ではかわいい“犬猫駅長”がお出迎え。
伊予上灘駅ではかわいい“犬猫駅長”がお出迎え。
五郎駅では、タヌキが棲みついた逸話から着ぐるみ姿の“たぬき駅長”が。個性的で手作り感あふれるおもてなしにグッとくる。
五郎駅では、タヌキが棲みついた逸話から着ぐるみ姿の“たぬき駅長”が。個性的で手作り感あふれるおもてなしにグッとくる。

鉄道の達人の声 ~鉄道写真家 村上悠太

通過駅や広場、家のベランダなどから、沿線の人たちが絶え間なく手を振ってくれます。アテンダントさんもほっとするような心温まる接客で、観光列車というより、もはや“感動列車”!

肱川(ひじかわ)の南側に大洲城を望む、伊予大洲~西大洲間。
肱川(ひじかわ)の南側に大洲城を望む、伊予大洲~西大洲間。
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「伊予灘ものがたり」列車infomation

●運転日/土・日・祝中心
●運転区間/JR予讃線[ 大洲編]松山→伊予大洲 [双海編]伊予大洲→松山 [ 八幡浜編]松山→八幡浜 [道後編]八幡浜→松山 全車グリーン車指定席
●ねだん/1号車・2号車 運賃1080円+特急・グリーン料金2900円(松山~伊予大洲間)
※3号車「Fiore Suite」は上記の運賃+特急料金1200円+グリーン個室1室料金3万3600円~
[食事予約券]3000円~(乗車日の4日前*までに要予約) *購入場所により異なる
●発売箇所/みどりの窓口、主な旅行会社
[食事予約券]JR四国 旅の予約センター、JR四国ツアーWEB、JR西日本観光ナビ「tabiwa by WESTER」、主な旅行会社など
●問い合わせ/JR四国 電話案内センター☎0570-00-4592
https://iyonadamonogatari.com/

写真=村上悠太、JR四国(走行、おもてなし、双海編の食事)
『旅の手帖』2024年10月号より

2024年10月5日、待ちに待ったJR西日本の観光列車「はなあかり」がデビューした。素敵な人々、食、風景……西日本各地の“とっておき”を集めた列車に乗ろう。
2024年4月26日、JR九州が新しいD&S(デザイン&ストーリー)列車を送り出した。月・水・土曜運行の博多発「かんぱち」号と、 火・金・日曜運行の別府発「いちろく」号。曜日ごとに異なる料理や停車駅で変わるおもてなしを満喫しよう。
12年にわたって津軽・下北半島を運行した「リゾートあすなろ」が、2023年にリニューアル。車窓いっぱいに東北の風土を映し出して、新たな道を走り始めている。
鉄道の達人たちからはもちろん、『旅の手帖』読者からも圧倒的な人気を誇る東の横綱「リゾートしらかみ」。秋田と青森をまたいでJR奥羽本線・五能線を走る。絶景、食、文化……人々を惹きつけてやまない、その魅力とは?
東京~伊豆下田間を走る「サフィール踊り子」は、数ある観光列車の中でもプレミアムな時間を提供してくれると人気。列車とは思えないクオリティの食事を、伊豆の海の大パノラマが盛り上げてくれる。
車内で食事を楽しめる、いわゆる“グルメ列車”の元祖といえる列車が岐阜の里山を走っている。その名もズバリ「食堂車」。季節に応じてさまざまな料理が味わえるとあって人気が高く、いまや明知鉄道の看板列車だ。
“天然の生け簀(す)”と呼ばれる、魚介の宝庫富山湾。その海沿いを走る観光列車は車内の食事も、なにやらほかとはひと味違うらしい。ここでしか味わえない、特別な体験が待っている。