“西の聖地”の代名詞・アウフグースサウナを体感
突出した個性をもつ3種のサウナと一日26回のアウフグース、日本最深級の水風呂で知られる『湯らっくす』。
“西の聖地”と称されるサウナの殿堂は、エンタメ性抜群の仕掛けが随所に施され、わずか数時間でサウナ初心者の私を、湯らっくす大好きマンに変えてしまった。
まずは、ここの代名詞ともいえるアウフグースサウナへ。
サウナ好きが高じて丸の内OLを辞め、『湯らっくす』で修業していまや人気アウフギーサーとなった、みらいさんがこの時間の担当だ。
通常ならじっと我慢のサウナタイムも、彼女の美しくもダイナミックなタオルさばきに見とれて、まったく苦じゃない。
みらいさんが送る熱波を受けて、全身から汗が噴き出す。
気持ちいい! 熱いのは苦手なのに、もっと熱波を! と体がさらなる熱さを求め続けた。
天下一品! 阿蘇の伏流水を使った、日本最深級の水風呂
噴き出た汗の量に驚きつつ水風呂へ。
水風呂もあまり得意ではないが、今回の体験をとおして完全に虜(とりこ)になった。水風呂に入りたいがためにサウナに入る、という思考になったほどだ。それほどまでに、ここの水風呂は最高なのである。
まず階段を上り、下ることで自然と体が水風呂に浸かる仕組みとなっており、しゃがむ勇気がいらない。そして深い。女性湯の水風呂は深さ153㎝あり、身長162㎝の私でも、ぶくぶくぶくと頭まで水に覆われた。水の冷たさやなめらかな質感を全身に受け「ああ! これが阿蘇の伏流水かー」と感動さえ覚える。
名物のマッドマックスで過剰なまでの水を浴びたあとに外気浴。
ただひたすら多幸感に包まれ、「気持ちよかった」──それ以外のことは考えられない。
これがととのったということか。人生初の幸せな時間。
あつあつもくもくの蒸気サウナ、神秘の暗がりサウナも!
その後、冗談かなと思うほど大量&あつあつの蒸気が噴き出すサウナや、神秘的な暗がりサウナを満喫し、最後に大浴場の温泉に浸かると癒やされ度はMAXに。
ああサウナって楽しいな。全国のサウナ猛者(もさ)を夢中にさせている『湯らっくす』だが、むしろサウナ初心者こそ、ここでのサウナデビューを強くおすすめしたい。
/定休日:無(メンテナンス休あり)/アクセス:JR豊肥本線平成駅から徒歩7分
取材・文=宮本喜代美 撮影=中西ゆき乃
『旅の手帖』2023年12月号より
※撮影のためにタンクトップとハーフパンツを着用しています。