1.芒果(マンゴー)

台湾を代表する存在。種類は豊富だが、一番人気は「愛文芒果(アップルマンゴー)」。毎年10種類程度が市場に出回る。台南市玉井の名物で、産地は南部に偏る。マンゴーがたっぷりとのったかき氷は、必ず食べたい。
○おいしい時期/5~8月

2.芭樂(グアバ)

薄緑色の皮と白い果肉で、サクサクとした食感が特色。皮をむく必要はなく、まるごと食べられる。生のグアバは甘さ控えめだが、ジュースはかなり甘い。写真の「紅心芭樂」はピンクの果肉で甘みと香りが強い品種。
○おいしい時期/10~12月

3.茘枝(ライチ)

ぜひとも台湾産を。盛んに品種改良されており、世界でもトップレベルの評価をキープ。ただし、シーズンはきわめて短い。値段は手頃で、市場などでは枝付きで販売される。食べ過ぎると鼻血が出るので注意!
○おいしい時期/6月~7月上旬

4.鳳梨(パイナップル)

トロピカルフルーツの定番。日本統治時代から品種改良が進められた。産地は南部の平野部。果物店ではその場で皮をむき、カットしてくれる。「金鑽」という品種が好評。どこを食べても均一な甘さで、芯まで食べられる。
○おいしい時期/3~7月

5.釋迦(シャカトウ〈釈迦頭〉)

お釈迦さまの頭部に似た風貌が独特。英語名は「シュガーアップル」。産地は台東に大きく偏る。写真は交雑と品種改良で生まれた「鳳梨迦(アテモヤ)」。“森のアイスクリーム”と呼ばれ、さわやかな甘さで知られる。
○おいしい時期/7~3月

6.火龍果(ドラゴンフルーツ)

見た目がかなり個性的で、印象に残るフルーツ。果肉は赤と白の2種類があり、前者は甘みが強く「紅龍果」とも呼ばれる。食感はキウイに似て、さっぱりとした風味。ホテルの朝食やビュッフェでもよく見かける。
○おいしい時期/6~11月

 

7.百香果(パッションフルーツ)

和名は時計草。酸味が強く、黒い種と果汁がたっぷり。濃厚な風味でジャムやシロップとして親しまれている。ドリンクスタンドでは少量を加え入れ、隠し味にしていることも。ホテルの朝食などにも出てくる。
○おいしい時期/7~9月

8.木瓜(パパイヤ)

一年中食べられる台湾フルーツの代表選手。「木瓜牛奶(パパイヤシェイク)」で親しまれており、果物店ではカットされたものも見かける。クセがなく、まろやかな味わい。冬場のものはやや苦みがあるが、これも美味。
○おいしい時期/8~10月

9.蓮霧(レンブ)

リンゴに似た風貌の果物だが、よりやわらかく、サクッとした食感。北部では栽培されず、温暖湿潤な南部に産地が大きく偏っている。英語名は「ローズアップル」。屏東県で産出される「黒金剛」や「黒珍珠」が人気の品種。
○おいしい時期/11~5月

10.香蕉(バナナ)

熱帯の果物の代表格。台湾はバナナ生産の北限ともいわれる。自然の中でじっくり成長するので、味や香りが濃厚で甘さにも深みがある。台湾南部では冬から初夏にかけて、中部では秋から冬までが最もおいしい。

illust_4.svg

台北で食べるならここ!

『陳記百果園』(ツェンチーパイクオユエン)

厳選された果実を扱う高級フルーツ店。旬の果物がたっぷり味わえる。自家製ドライフルーツやジャムなどを販売するほか、盛り合わせや濃厚な自家製ジェラートも評判だ。

『陳記百果園』
8:00~18:00、日休
台北市松山區敦化南路一段100巷7弄2號
MRT板南線忠孝敦化駅から徒歩8分

取材・文・撮影=片倉佳史 https://www.instagram.com/nwotaiwan.katakura/
『旅の手帖』2024年5月号より