お酒ってこんなに柔軟。そう思わせる、店主の自由な発想が光る酒場をご紹介。普通の居酒屋で一杯もいいけれど、荻窪・西荻窪は今、フリースタイルが楽しいですよ。
荻窪北口と西荻南口には、闇市の残り香漂う横丁が今も残っている。老舗系も健在だが、表通りには串カツ屋や餃子屋などチェーン店系の出店が目立つ。路地には昭和を偲ばせる手押しポンプの井戸や、古びた手書き看板なども残っているのでレトロ散歩も楽しめます。昭和から続く老舗もまだまだ元気だけど、一方で新しい店も増殖中。新旧織り交ぜて、駅前横丁の今を紹介しちゃいます!
飲んべえひしめく横丁は、毎日お祭り騒ぎのにぎわい。粒ぞろいの名店を巡るのもいいが、地元民の帰り道に潜む隠れ家酒場を探すのも一興。表通りも裏通りも、注意深く観察すべし!

酒房高井

ゆるゆる飲んで心からじんわり温まる

席はカウンターのみ。混み合うと壁側にも座れる。俺もそっちで飲みたいな~。

かつて西荻窪にあった人気酒場『はるばる亭』から独立して開いた『酒房高井』。現在は、ご主人の高井さんが水・土曜、奥様のもとこさんが火・金・日曜と交代で担当する。「お待たせしました〜」とゆったり微笑むもとこさん、「本当はカウンターで飲むほうが好きなんだよ」と言いながら表情を緩める高井さん。どちらの日も、やわらかい空気は変わらない。お二人の手料理にもほっとして、ぬるま湯に浸かっているような心地よさが、一番の肴なのだ。お通し550円。

ゴボウチーズやき935円、新ジャガ豚バラ煮715円などはカウンターに大皿で並ぶ。日本酒は定番から話題の銘柄まで約20種1合715円~。
風格ある渋い佇まい。

『酒房高井』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻北3-31-6/営業時間:18:00~22:30/定休日:月・木/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩3分

みちのくらさん

ひねりを利かせた絶妙なセンスにハマる

日本酒を注ぐ髙橋さん。東北6県の日本酒が揃う。名前だけでわかるかな~?

ぎっしり貼られたメニューは、気になるネーミングばかり。WOMANやっこ、うそっぷ焼き、エロうま豆腐など、どんな料理なのかは来店してからのお楽しみ。名付け親の店主・髙橋くらのすけさんが、会社員時代に日本各地で出合った料理や食材の組み合わせから考案したとか。ポリシーは「火を通して生よりうまい」で、生魚のメニューはない。「もともと家に人を招いて料理を作るのが好きでね」とうれしそうに笑う髙橋さんにも心がほぐれる。お通し440円。

お客さんが描いた店主の似顔絵がずらり。
チーズ納豆715円、日本酒1合935円~。

『みちのくらさん』店舗詳細

住所:東京都杉並区松庵3-38-15 ニューダイヤハイムB1/営業時間:17:00~23:30LO/定休日:不定/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩2分

雨ねこ。

旬野菜もしっかりとって健やかに飲みたいときは

塩でいただく昆布〆990円、お通しの京錦庵のおぼろ豆腐、お通し代440円、季節の野菜のお浸し550円、日本酒グラス660円〜。

「お昼ちゃんと食べた?」と声をかけて、今日のおばんさいを説明する横手珠美さん。切干し大根の梅煮、季節の煮浸しなど、体にやさしいおばんざいが並ぶ。「野菜も食べて元気になってほしい」と、疲れて駆け込む常連客の顔を思い浮かべながら腕を振るうのだ。和食に合わせるお酒は国産ワインを。ブドウの収穫も手伝う、山形県の酒井ワイナリーのワインを常備する。日本酒もオッと思う銘柄が揃い、店名にちなんで新政酒造の「亜麻猫」も。店内にいる招き猫らが待ってるよ。お通し440円。

定番の出し巻き玉子500円。
お酒や料理の話しが弾む。

『雨ねこ。』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻北3-4-8 西荻ビル2F/営業時間:18:00~23:00/定休日:月/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩2分

構成=フラップネクスト 取材・文=井島加恵、松井一恵(雨ねこ。) 撮影=丸毛 透、山出高士(雨ねこ。)