ラーメン 一兎

じんわり染みわたる、煮干しの風味

あっさり煮干し700円。大盛りは+100円。

「以前はいろんな材料を足していたけど、逆に煮干し一本だけにしたら香りがはっきりと立ったの」と笑うのは、店主の深澤佳之さん。いつでも手に入る食材で、毎日同じ味が出せるようにと、仕入れにスーパーも多用する。えぐみが出ぬよう丁寧にとった煮干しの出汁に、醤油と鶏油を合わせたスープはすっきり奥深い香味。麺とともにすすると、煮干しと醤油、小麦の香りが一体となり、ふわりと鼻腔(びこう)を抜ける。麺は市川で50年以上の歴史をもつ『早川製麺所』から仕入れる。深澤さんは、「昔懐かしい中華麺のテイストがお気に入り」と笑う。

2011年の開業以前はデザイナーをやっていた深澤さん。ラーメンは独学で完成させた。

『ラーメン 一兎』店舗詳細

住所:千葉県市川市新田5-5-23 三村ビル1F/営業時間:11:30~14:15LO・18:00~21:30LO/定休日:月/アクセス:京成本線市川真間駅から徒歩1分

らー麺 N

鶏ガラのやさしい風味に包み込まれる

極(きわみ)N麺(塩)980円。自家製チャーシューやワンタンでボリュームたっぷり。

店主の長沼秀聡(ひでとし)さんは、元サラリーマン。「目の前でお客さんが喜んでいる顔を見たい!」と、一念発起し、ラーメン店で修業後、2015年に開業した。6時間炊いた鶏ガラの出汁に、特製の塩ダレと合わせたスープを一口すすると、やわらかな口当たりにほっこり。最後の残り香まで鶏のやさしさに満ちあふれ、思わず頬が緩む。食感のよい麺との絡みもよく、スープと見事に調和。一気に平らげてしまう。麺は1949年創業の『菅野製麺所』から仕入れている。細麺と中太麺の間くらいの太さで、歯ごたえがよく、癖になる。ワンタンはツルンとした薄皮いっぱいに、まるまると大きな肉団子が包まれている。口中に入れると肉汁じゅわり。やけどにはご注意を。

長沼さん。修業先は湯島の人気店『大喜』。

『らー麺 N』店舗詳細

住所:千葉県市川市新田3-18-9/営業時間:11:30~14:30・18:00~23:00/定休日:水/アクセス:JR総武線市川駅から徒歩14分

青海

旬野菜の底力を引き出すおふくろの味

お惣菜盛り合わせ750円は、ごはんと味噌汁付き。

店主の龍野美紗子さんが、娘2人と妹と切り盛りするのは家庭料理の店。牛肉だけはちょっと贅沢に松阪牛を。けれど、圧巻なのはカウンター上の常備菜だ。カボチャや大根の煮物は砂糖と醤油で、サツマイモは最後にレモンを加え、「素材の力を信じて」ひと晩かけて、ゆっくり味を含ませる。どのお総菜もやさしい香味が引き出され、男性や外国人客も虜に。厚削りと花がつお出汁の味噌汁にも、ホッ。

日替わり弁当550円など、持ち帰り弁当も評判。
カウンターの上に総菜がずらり。並べ切れないものも含め約20種以上。

『青海』店舗詳細

住所:千葉県市川市新田4-17-14/営業時間:11:30~14:00/定休日:水・日・祝/アクセス:JR総武線市川駅から徒歩7分

SOBA I SBA いさと

余韻に浸りたくなるそばずくめ

ざる850円。

黒糖を用いる返しを2年半寝かせたまろやかなコクのつゆの独創的なこと。「このつゆに合うそばを作ったんです」と、店主の斎藤順三さん。丸抜きのソバの実を丁寧にピッキングし、そば粉の粒が揃わぬよう、石臼で手碾(ひ)き。ふるいにかけず、食感の妙を生む。ソバの実や薬味が満載の焼き味噌、注文ごとにそば粉を練り上げるくず餅風など、コースは贅沢の極み。庭を望む居間の気張らぬ風情で、ゆるりと堪能したい。

庭の旬味も添える恭子さんと始めて21年。
鴨そぼろを入れて巻く。
玉子焼きM900円はみやげにも最適。 焼味噌350円、そば久寿餠500円。 ざるコース(2人~注文可)なら3050円。日本酒600円~。

『SOBA I SBA いさと』店舗詳細

住所:千葉県市川市国府台1-12-9/営業時間:12:00~15:00ごろ(予約優先、売り切れ次第終了)/定休日:月~木/アクセス:京成本線国府台駅から徒歩20分

La marge

ワインを愉しむ大人のビストロ

ダルマイカと穴子のレタスルーロ ガスパチョソース(季節限定メニュー)1620円×微発泡白。

ラフな空気感は、店主の石郷岡勝(いしごうおかまさる)さん、ルミさん夫妻が醸し出す“抜け感”のせい。「うちはハレの日に似合わない」と謙遜するも、おまかせコース5280円~を予約した人が「おめでとう!」と乾杯する光景が日常だ。季節を感じる各地の産直食材を使い、繊細さと大胆さが同居する皿は、スパイスやハーブがふわっ。ワインは二人が惚れ込むナチュール(自然派)中心に、小さな醸造所の個性的なものを揃えている。例えば、イカとアナゴの前菜には、口触り柔らかな微発泡白を。「ボトルなら開栓から変化する風味を愉しめます」と、ルミさん。料理と好みに合う1本を選び、食べて飲んでを繰り返すうち、果てしなく晴れやかに。

岩手産白金豚の煮込み2530円。
ワインを愉しむお肉屋さんの盛合せ2090円× 軽い赤。ワインはグラス880円~、ボトルは200種以上から選べる。
石郷岡さん夫妻。

『La marge』店舗詳細

住所:千葉県市川市市川南1-6-21/営業時間:18:00~23:00(土・日は17:30~22:30)/定休日:火休/アクセス:JR総武線市川駅から徒歩2分

Garten Cafe ぶ楽り

農家の14代目が始めた野菜カフェ

いしい農園オリジナルピザSサイズ935円。

市川に農家レストランがあると聞くと驚くかもしれない。場所は国分の閑静な住宅地。その屋号からも、おしゃれなログハウス造りの店舗からも、ここが農家レストランだとは誰も思うまい。実は、江戸時代から続く農家が経営しているのだ。14代当主の石井一平さんが露地栽培した野菜や、ビニールハウスで育てた完熟トマトを使った料理を食べさせてくれる。シェフは奥様の久美子さん。「野菜がたくさん採れると、ついうれしくて多めに盛ってしまうんです(笑)」。ミニトマトや旬の野菜を盛り付けた、サラダ感覚のピザを考案したのも久美子シェフ。トマトジュースは絶品。完熟トマトを1時間煮詰めたことでトマトの濃厚な旨味を堪能できる。

グリルした野菜や サラダが盛られた皿が付くいしい 農園カレー1100円、一平トマトのトマトジュース693円(季節限定)。
トマト農家のトマトパフェ660円(季節限定)。
石井一平さんと、シェフの久美子さん。

『Garten Cafe ぶ楽り』店舗詳細

住所:千葉県市川市国分4-3-23/営業時間:11:00~17:00/定休日:火・水/アクセス:京成本線国府台駅から京成バス「国府台病院経由北国分駅」行きなど10分の「じゅん菜池」下車3分。

トラットリア・アルポンテ 道の駅「いちかわ」

旬の市川野菜を使ったイタリアン

ランチ2160円(市川野菜のスープ、生ハム、パスタなど)。

2018年市川市内に、日本橋浜町の名店『リストランテアルポンテ』の姉妹店が開業した。国道298号沿いに立つ道の駅「いちかわ」に併設する『トラットリア・アルポンテ』である。2019年5月、松島正さんがシェフに就任。松島さんは本店で副料理長を務めた後イタリアに渡り、帰国後、各地のレストランでシェフを歴任してきた。いしい農園の石井一平さんなど、これからの市川の農業を支える若手農家チームの「いちかわファーム」が丁寧に育てた野菜やハーブと、イタリア産チーズや、切りたてのパルマ産生ハムなどを組み合わせた、滋味あふれる本格的なイタリア料理を廉価で提供している。市川ならではのイタリア料理を、イタリアワインと一緒に舌で鑑賞させてもらおう。

ケールを練り込んだタリアテッレのミートソース アルポンテ風1728円。
メカジキのグリルといちかわファームの野菜1944円。
松島正シェフは地産地消のメニュー 開発に加え、製品化も進めている。

『トラットリア・アルポンテ 道の駅「いちかわ」』店舗詳細

住所:千葉県市川市国分6-10-1/営業時間:11:00~14:00(ランチ)・14:00~17:00(カフェ)・17:00~ 21:00(ディナー)/定休日:無/アクセス:北総鉄道北国分駅から京成バス「国分経由市川駅」行きなど10分の「道の駅いちかわ」下車1分

構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・松井一恵・高橋健太(teamまめ)、中島茂信 撮影=オカダタカオ、山出高士、加藤熊三
『散歩の達人』2019年8月号より

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