Spice飯店

種類豊富な日本酒とスパイスの出合い

2019年2月に開店。一人でも居心地がいいぬくもりのある店内。

日本酒とスパイスの組み合わせは、大胆にして繊細だった。「両方好きなので、たまたま合わせてみたらよかったんですよ」と店主の岡本大佑さん。例えば、麻辣系のスパイスを利かせた、よだれ鶏ならぬ〝よだれ鴨〞にコクのある日本酒を合わせると、ドンピシャリ。隠れていた酒の旨味が花開くようにふわ~っと広がり、鴨のむっちりした野性味や麻辣の鮮烈な辛み、黒酢の酸味など様々な風味が繊細に重なって、口が豊かに満ちる。この味のループはきっと癖になるはずです。

日本酒の長珍1000円に合わせて、手前からよだれ鴨850円。自家製のニラとレモングラス醤 が香る、鰹の生ハム焼き茄子のカルパッチョ800円。
スパイスに合う開春900円、長珍、南部関750円は常温かお燗で。
住所:東京都杉並区西荻南2-19-5 1F/営業時間:18:00~ 23:00LO(土は15:00~、日は15:00~21:00LO)/定休日:火/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩5分

肉とハーブ マツノヤ 荻窪店

「肉には燗酒」というレアな組み合わせをぜひ

黒岩鷄のたたき(若鶏むね親鶏もも盛)2400円、ふぐの卵巣450円。

炭火でじっくり焼いた、〝黒岩鶏のたたき〞に燗酒を合わせたら、口の中で肉の旨味と脂が溶けてうっとり。この快感は燗酒でなければ味わえない。「優しい旨味の日本酒が合いますね」と店主の鹿毛静穂さんが言う。他にも、直火でとろとろになるまで煮込んだ〝牛スジ煮〞や、牛、豚、鴨、仔羊、ハト、うずら、ツキノワグマなどあらゆる肉料理にもぜひ燗酒を。酒の熱で溶ける、それぞれの肉の旨味と脂は、ずっと味わっていたくなるほど、じわじわ口に染みる。

短角牛の牛すじ煮450円。
気さくな店主の鹿毛さん。
肉に合わせたい独楽蔵700円、七本槍850円。
住所:東京都杉並区荻窪5-29-8 2F/営業時間:17:00ごろ~23:00(最終入店)/定休日:月(祝の場合は営業、翌火)/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

スナック慕情(秋田ばる七尾)

ママの店として再始動。愉しい空間で日本酒を

楽しい七尾夫婦。秋田出身の店主はランチで稲庭うどんを提供。

西荻窪で7年つづく秋田の料理と日本酒の店、「秋田ばる七尾」が政権交代!?(冗談)。2019年11月5日から、店主の七尾太佳史さんに代わり、奥様の亜里咲さんが「スナック慕情」のママとして夜を仕切る。ママの第二の故郷の、香港のエッセンスを取り入れたつまみが中心で、秋田の日本酒は変わらず揃える。意外にも香港つまみと日本酒はよく合う。この店は内装も料理も酒もバラバラなのに、全てが調和しているのが面白い。つまり、愉快に日本酒を飲める店です。

手前から干し貝柱と海老の茹でワンタン、パクチーと蒸し鶏の干し豆腐サラダ(いずれも400円)。
刈穂530円、天の戸520円、高清水500円。
住所:東京都杉並区西荻南1-23-11/営業時間:11:30~14:30・18:00~翌1:00/定休日:日(改装で2019年10月27日~11月4日休)/アクセス:JR中央線西荻窪駅南口から徒歩5分

どんく

間口は狭いが懐の深〜い名酒場

席はカウンターのみ。

味わい深いコの字カウンター、気の利いたつまみからうどんや焼飯まで幅広いメニュー、店主・中村正さんの穏やかな接客。一度ここに来ると通うようになる人が多いというのも頷ける。評判が高いのにほどよく落ち着いた雰囲気が保たれているのは、ここがビルの3階だから。「よくこの場所で始めたなと思いますね」と笑う中村さんだが、その決断があっぱれ。あまりに心地よく、人に自慢したいような、誰にも教えたくないような複雑な気持ちになる。

人気の牛すじニンニク炒め380円は酒が進む。皿うどん840円、長崎の焼酎「壱岐」は1杯500円。
店主の中村さんが一人で切り盛りしている。

『どんく』店舗詳細

住所:東京都杉並区上荻1-17-7第5田丸ビル3F/営業時間:18:00~翌3:00/定休日:日(5月3日は営業)/アクセス:JR中央線•地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

もみぢ

コスパ最高! 間口は狭いが懐の深〜い名酒場

スッポン料理も破格。

お品書きにはフグやスッポンの文字が躍る。しかも1品200円前後! 今はなき赤坂の料亭で腕を磨いた店主の小林健二さんは、「駅から遠いから安くしちゃった」と照れる。フグといえばヒレ酒かと思いきや、「骨のほうが、出汁がよく出るから」と骨酒で。使うは、豊洲仕入れのショウサイフグで、刺し身用にさばいてから骨をじっくり炙る。2尾入りの骨酒はパック酒ながら、ヒレよりも野趣に富み、濃厚。骨を追加すれば昇天確実だ。

古ぼけた酒場に遠方客も訪れる。
ふぐの骨酒350円は継酒250円、骨追加100円。フグ刺し350円、フグ唐揚350円。

『もみぢ』店舗詳細

住所:東京都杉並区荻窪2-24-10/営業時間:17:00~翌3:00/定休日:無(臨時あり)/アクセス:JR中央線•地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩14分

構成=さんたつ編集部、ハセガワアヤ 取材・文=山内聖子、佐藤さゆり(teamまめ)、井島加恵 撮影=井原淳一、丸毛 透

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