共水うなぎの真髄を感じよ『うなぎ 浜名』
良質な水と餌で育った静岡の「共水うなぎ」。30年前、その味に惚れ込んだ店主の下谷地健二さんは「店ではこれ以外使わない」と決め今に至る。焦げ目を均等に付けるため、炭火の上で頻繁にうなぎを返し、甘さ抑えめのさらりとしたタレを付けさらに焼く。ふっくら炊かれた長野産特Aコシヒカリと一緒に頬張ると、皮と身の間の分厚い脂が、噛んだ瞬間プルンと弾けた。旨味が身と混ざり、食欲は増進、一気に平らげてしまう。
『うなぎ 浜名』店舗詳細
和せいろで蒸されたふっくらうなぎ『二代目 串長』
店主の関正彦さんは、うなぎ一筋48年。「池で育てるところから、捌いて焼くまで、全部やった」と、笑う。四万十のうなぎを、蒸気をしっかり閉じ込めた和せいろで蒸し、炭火で香ばしく蒲焼に。同じく和せいろで炊いたごはんの上に2枚を重ねる。ふわり膨らんだ身は竹の香りを含み、旨味が倍増。また、人気のうな串も外せない。肝焼には7尾分の内臓が串打ちされ、濃厚な味と香りが後を引く。酒は常時約30種用意。十四代をおともに、舌鼓を打つ。
『二代目 串長』店舗詳細
(祝の場合要確認、12月31日休)/アクセス:JR各線浦和駅から徒歩8分
常に進化をやめぬ浦和最古の老舗『山崎屋』
「伝えられた味わいを守りつつ、新しい試みも取り入れています」とは、店主の椎名さん。店の趣を時代に合わせて変化させる一方で、うなぎの味はブレない。愛知や九州など、四季折々で仕入れる新鮮な国産ウナギは、この道40年以上の職人が一枚一枚丁寧に焼き上げる。タレは醤油の味が引き立ち、甘さ控えめ。脈々と引き継がれてきた秘伝の味だ。ほろっと身が崩れつつ、魚本来の繊維質も感じられ、上品かつ力強い味わいが広がる。
『山崎屋』店舗詳細
取材=高橋健太(teamまめ) 構成=株式会社エスティフ 撮影=井原淳一