店主が丁寧に焼き上げる絶品やきとり『炭火串焼FUJIKO』[赤羽]
「火はちゃんと入れ、生じゃないぎりぎりの焼き加減を狙っています」とは、焼き台に立ち15年の栁澤恵二さん。肉質のやわらかな紅ふじ鶏を備長炭で焼いており、ささみはプリプリ、レバーはとろりと口でほどける。このレバーと抜群に合うのが梅酒と赤ワインを炭酸で割る赤羽サワー。お酒はほかにハートランド生550円や箕面ビール850円~など、大衆やきとりとは一味違う素敵な品揃えなのだ。
『炭火串焼FUJIKO』店舗詳細
味噌・たれ・塩どの串も外れなし!『闇市』[赤羽]
老舗の豚肉専門業者から仕入れるもつは、どれも新鮮。「もつやきは、備長炭の香りがついてこそ」と炭火にこだわる店長の小松真樹さん。バラなら香ばしく焼けた味噌と脂の甘みが好相性、照りのあるたれをまとうシロは特殊な方法で下ゆでしており、外カリ・中トロ! 炭の薫香ともつの旨味の余韻があるうちに、店長自身も好物の天羽の梅シロップ入りのボール300円をあおれば恍惚(こうこつ)の世界へ。
『闇市』店舗詳細
昭和商店街の奥で心をぽかぽかお燗『角打ち 三益の隣』[赤羽]
70年以上の歴史をもつ『三益酒店』の角打ち。2代目・東海林孝生さんが惚れこんだ〆張鶴から、長女で3代目の美保さんが蔵元へ足しげく通い仕入れを実現した冩楽(しゃらく)まで地酒の品揃えは言わずもがな。3女・美香さんが中心となり作る酒肴は、角打ちレベルを超えている。でも、一番の魅力は家族経営や手書きポップが生む温かな雰囲気、ニコニコと杯を傾ける常連たちの楽しそうな飲み姿なのだ。
『角打ち 三益の隣』店舗詳細
センベロの聖地で見る白昼夢『立ち飲みいこい 本店』[赤羽]
もともとは酒販店併設の角打ちで、その後、酒屋のみが移転したことで、赤羽を代表する立ち飲み店に。コの字カウンターとその中で湯気を上げる煮込みや肉豆腐の鍋、周りを囲む短冊の品書きなど、店内はまさに大衆酒場の雰囲気に満ちる。100種近くあるつまみの7割は100円台、宝焼酎のハイボールをはじめ酒の半分が200円台と、例え表現ではなく本当に“1000円でべろべろ”になれるのだ。
『立ち飲みいこい 本店』店舗詳細
ひとひねりが楽しい飲み横の新繁盛店『酒呑倶楽部アタル』[北千住]
品書きのポテサラやカウンターの煮込み鍋で大衆酒場の空気を感じさせつつ、ポテサラにはカレー粉やたくあんがたっぷりのるなど新たな試みも。「エッジが利きすぎない遊び心を大切にしています」と店長の星野洋平さん。名物の蒸しつくねは、ふき味噌とお餅を使うなどおいしいアイデアが炸裂! お酒は石川の菊姫など名酒揃いの日本酒と、島バジルレモンサワー 580円などサワー類が主役だ。
『酒呑倶楽部アタル』店舗詳細
串が折れそうなデカさに震えろ『もつ焼き やまぴー』[牛田]
低温調理のタン刺を頼むと断面が美しき桜色。プリッとした舌触りにもつやきへの期待が高まる。カシラとハラミを串打ちしたスタミナはステーキのような圧倒的肉感。ホルモン(シロ)は激辛で、これ一本で生中一杯いけそう。真打ちはずしっと重いレバー。トゥルトゥルの官能的食感に完全KOなのだ。店主の山下晃将(あきひろ)さんいわく「ポーションを大きくし過ぎたせいか、最近けんしょう炎気味っす」。店の奥にはテーブル席も用意。
『もつ焼き やまぴー』店舗詳細
品揃えは日本随一クラフトビールの夢の国『びあマ』[北千住]

北千住の業務用酒販店がクラフトビールの奥深き世界を広めたいと始めたこともあり、扱うその数は1000種、40カ国以上! 「この中から本当に自分好みのビールと出合えるかもしれない。その仲人になれたら」とクラフトビール博士の店長・石田哲也さん。樽生を味わえる日替わりのタップリスト10種から選ぶも良し、奥の冷蔵庫からジャケ買いして角打ちで飲むのもまた楽し、なのだ。
『びあマ』店舗詳細
味変も濃さも自由自在のどぶ漬けとは?『素揚げ酒場 パリパリ』[北千住]
2017年の開店ながら、白地ののれんや特徴的な提灯など古きよき酒場の雰囲気を上手にブレンド。名物の大山鶏パリパリ半身揚げは、昆布や香味野菜からとった自家製出汁に一晩漬け込んであり、中まで出汁の風味が染みているのだ。お酒の提供方法でおもしろいのがどぶ漬け。カウンター前に置かれた氷冷ボックスから、客が自由に選んだ割り材で宝焼酎を割れば、自分好みのチューハイに!
『素揚げ酒場 パリパリ』店舗詳細
取材・文=鈴木健太 撮影=逢坂聡、丸毛透