アート空間に生まれた一期一会の楽しい“ブレ”『BUoY Cafe』
コンクリートがむき出しの廃墟のような店内は、実はボウリング場跡地。2018年、ステージや稽古場、ギャラリーを備えたアート空間『BUoY』として生まれ変わった中の一部だ。だから店員さんも役者や作家などアートに関わる人が日替わりで店に立つ。「コンセプトは“ブレるカフェ”。人によって得意が違うから出すメニューも味も変わったりするんです」と店長の若藤さん。一期一会のブレを楽しみたい。
『BUoY Cafe』店舗詳細
店主の“作品”をゆっくりと堪能『珈琲物語』
一歩入れば店内は広々、4~5mはあろうワイドなカウンターとその背に並んだ食器の多さに圧倒される。1987年に望月章雄さんが家族で開店して以来、カップ&ソーサーは有田焼を中心に300客にもなったという。「実は陶芸もやるようになって、自作のカップもいくつかあるんです」。焙煎室で豆を焼き、ブレンドし、珈琲プリンなどのデザートも自家製。望月さんのさまざまな“作品”をゆっくり愛(め)で、堪能を。
『珈琲物語』店舗詳細
ジュースと音楽でエナジー充塡『Juice Bar Rocket』

元々洋服の仕事をしていた高橋さんが、買い付けにニューヨーク通いを続けるうち、街角にあふれるジュースバーと音楽の魅力にノックアウト。本場の味にアレンジを加えたパワフルなジュースと、いかすヒップホップが流れるバーをオープン。一方で10代半ばからラッパーとして活動し、VIKN(ヴァイケン)の名で音楽活動も続けるツワモノ。
『Juice Bar Rocket』店舗詳細
プリンの容器も丸い、カフェ&制作工房『はれてまりカフェ はれてまり工房』
日本中に独自のスタイルを持つ玩具、手まりをキーワードに、人や地域の縁をつなぐ支援プロジェクトの一環で、制作工房とカフェを作った植村さん。はれてまりプリンの容器も丸く、コーヒー豆も手まりのような丸い特別な豆。千住や地元東北の応援も大切な仕事。新メニューも続々登場し、東町商店会を、彩り豊かにしている。
『はれてまりカフェ はれてまり工房』店舗詳細
さまざまな和文化に出合えるリノベカフェ『路地裏寺子屋 rojicoya』
壁や天井を取り払い、梁(はり)や柱を生かした日本茶カフェが2020年10月に開店。書や花で彩られ、着物姿のスタッフが客人をもてなしている。「千住は和文化の担い手が多く暮らす街なんです」とは、代表で書道家の米本芳佳さん。日本茶を扱う榎本龍晃さん、華道家の采女栖佳(うねめせいか)さんたちと日本文化を継承する活動をするなか、古民家を再生し、芸術家たちに貸す活動を行う「千住芸術村」と知り合った。拠点として借りた家屋でカフェを営む傍ら、妖怪バーに侍バー、落語会、ワークショップ、和楽器ライブなども催し、音が小路を伝って道行く人を誘惑。下校途中の子供たちも顔を出す敷居の低さ、心和む気楽さも相まって、和文化ファンを増やし続けている。
『路地裏寺子屋 rojicoya』店舗詳細
取材・文=下里康子、高野ひろし、佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=鈴木奈保子、オカダタカオ、高野尚人