豚 星

飲むほどにピリリと辛さがしみる

奥から、金魚サワー429円、カラスミポテトフライ715円、上シロ143円、ハツモト143円、カシラ143円。

市場から直接仕入れた新鮮な豚肉を用いたもつ焼きを、リーズナブルな価格で味わえる名店。17時を過ぎると、サラリーマンでにぎわう。ここを訪れたらぜひとも頼みたいのが、大葉を水草に、唐辛子を金魚に見立てた金魚サワーだ。見た目の涼しさもさることながら、大葉のさわやかな香りと唐辛子のピリリとした辛さが食欲をそそり、強炭酸が脂を切ってくれるので、もつ焼きが何本でもペロリと食べられてしまう。サワーをお代わりするたびに増えていく金魚を、「1匹、2匹……」と数えながら夜を楽しもう。

もつ焼きの香ばしい匂いに誘われる。
店内はカウンター席とテーブル席がある。

『豚 星』店舗詳細

住所:東京都品川区小山4-3-6 林ビル1F/営業時間:17:00~23:30/定休日:無/アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩3分

目黒 月鳥

手でむしり、食らいつく幸せ

月鳥名物ひな鳥素揚げ半身880円~(大きさで変動あり、店内別途消費税)、サントリーモルツ中生450 円。

まずはキャベツをビールの供に、揚げ上がりを待つべし。胃が準備を整えた頃、銀皿に鎮座したひな鳥半身がでんと姿を現す。食べやすいようカットもしてくれるが、ここは半身のまま、熱さと闘いながら、ムネ、手羽、モモへと攻め込みたい。パサつきがちなムネでさえジューシ〜で、喉がビールを手招き。「素揚げだから、あまり油も吸わず、食べやすいんです」とは、店主の吉田貴弘さん。内臓を抜いた国産生のひな鶏を店でばらし、塩をなじませて半身ごと揚げる。火の通り具合は部位ごとに異なるものだが、揚げ温度や余熱でタイミングを計り、調整。その技にも感服だ。くびからぼんじりまでひとつなぎの元祖せすじや、モモ内側の脂「なみだ」など、希少な素揚げも捨てがたい。

高低温と余熱を駆使し、4度揚げを独自に研究。
カウンター8席の他、テーブル1卓あり。持ち帰り窓口あり。

『目黒 月鳥』店舗詳細

住所:東京都目黒区目黒本町5-32-12/営業時間:16:00~23:00(食事22:00LO・ドリンク22:30LO)/定休日:日・祝/アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩7分

coQere

味覚の反復運動にヤミツキ

右は、青花椒魚片 タラの煮込み青山椒と唐辛子オイルがけ1800円。 左は、四川生山椒と発酵唐辛子 パクチーの辛い和え物1800円。

興味はあれど、取っ付きにくい。そんな個性の強い日本酒は「振り子の法則を応用すればトライしやくなります」。そう教えてくれたのは、店主の柘植和志さんだ。つまり、甘くて癖のあるどぶろくには、山椒の効いたピリ辛の中華料理を対峙させ、異なる味覚を交互に作用させるといいという。四川生山椒と、老酒で発酵した乾燥唐辛子、パクチーの和え物は、よく混ぜて食べる。舌がカーッとなったところに大分県『中野酒造』の「ちえびじん」を流し込むと、ヨーグルトのような酸味が辛味を一掃。次の瞬間、舌のビリビリは甦るが、食材が秘めた苦み、酒の甘み、コクも盛り上がってきて複雑なグラデーションを醸す。辛さのせいもありつつ、この新感覚に感動の涙。柘植さんは本場の食材を入手するため定期的に中国へ渡る。

多様な日本酒を取り揃えつつ、約30種を店内でさらに熟成。いい塩梅のものをチョイスし、日替わりで提供している。

『coQere』店舗詳細

住所:東京都目黒区原町1-16-17/営業時間:18:30~23:30(土・日・祝は~23:00)LO
※事前予約で17:00~可/定休日:月/アクセス:東急目黒線西小山駅から徒歩4分

構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、 石原たきび、信藤舞子、風来堂 撮影=オカダタカオ、高野尚人、丸毛 透、山出高士