大通りで裏道で……。いたるところでとっておきのお菓子や、趣のある古い建物、思いがけないエンタメなど、 バラエティ豊かで魅力的なさまざまなカフェに遭遇できるのが日本橋エリア。静かで落ち着いた店や、静かに気持ちが高ぶる店など興味津々な店があちこちに。きっとあなたにピッタリのカフェに出合えます!

本格コーヒーと人気のプリン。『BonTin Cafe』

舌触りのよく、ぎりぎりのやわらかさを狙ったプリンは500円。
舌触りのよく、ぎりぎりのやわらかさを狙ったプリンは500円。

『BonTin Cafe(ぼんたんかふぇ)』がオープンしたのは2020年7月。創業70年の和装を扱う問屋がアンテナショップとして開いた『BonTin Tokyo』に併設されたカフェだ。

「コーヒーは化学です」と話す研究熱心な店長でバリスタの金さんが、コーヒー豆の焙煎から抽出、そしてフードメニューの開発まで一貫して担当している。豆は精製方法から厳選。ナチュラルとウォッシュドという精製方法のものを選んでいる。コーヒーのおいしさが自慢の『BonTin Cafe』だが、フードのメニューではプリンが人気だ。卵は赤卵を選んでいて、牛乳の量が多め。自立するぎりぎりの柔らかさを狙った、とろりとした舌触りと濃厚さが絶妙だ。

店内には浴衣の生地や半纏のほか、うちわやアクセサリーなど和装小物も並ぶ。
店内には浴衣の生地や半纏のほか、うちわやアクセサリーなど和装小物も並ぶ。

『BonTin Cafe』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋久松町5-14/営業時間:8:00~16:30(土・祝は10:00~16:30)/定休日:日/アクセス:地下鉄日比谷線人形町駅から徒歩7分、地下鉄浅草線東日本橋駅・新宿線馬喰横山駅から徒歩5分

1杯220円から。カジュアルに楽しむ抹茶。『ATELIER MATCHA』

抹茶のサードウェーブを自称する『ATELIER MATCHA』が提案するのは「格式張った作法などにとらわれず、カジュアルに抹茶を楽しむこと」。お茶の産地、京都の宇治で江戸初期から160年もの歴史を持ち、自社で栽培から加工までを行っている老舗の製茶問屋『山政小山園』のカフェ事業だ。

代表の長尾千登勢さんは「海外の人たちの中には抹茶を日常的に飲んで楽しんでいる人もいるんですよ」と話す。1杯220円からというリーズナブルな値段で抹茶が飲める。毎朝、イタリア人のエスプレッソよろしく、Matchaショットを飲むお客さんもいるとのこと。ごちそうMATCHAドリンクとして、クリームやゼリーを加えたスイーツとドリンクの中間のようなものも用意している。

電動茶筅を使って、注文ごとに抹茶を点てる。
電動茶筅を使って、注文ごとに抹茶を点てる。

『ATELIER MATCHA』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-5-8/営業時間:9:00~18:00/定休日:火/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

地方の食を伝える路地のカフェ。『NIHONBASHI CAFÉST』

コーヒーは1杯440円。ミニソフトセットにすると520円で、大人がおやつとして食べるには、ちょうどいいサイズのソフトクリームがうれしい。
コーヒーは1杯440円。ミニソフトセットにすると520円で、大人がおやつとして食べるには、ちょうどいいサイズのソフトクリームがうれしい。

『NIHONBASHI CAFÉST』があるのは、下町情緒あふれる料亭街。面しているのは絵に描いたような路地で、街並みとの調和が図られた外観には格子が設けられている。ビジネスパーソンから仕事がしやすい居場所として人気があるカフェだ。

カフェのコンセプトは「地方を味わう・体験する そんな場所」。日本各地で丁寧に作られている食品を広める取り組みを行っている。特に幅広いお客さんに人気なのが、コーヒーと小さなソフトクリームがセットになったミニソフトセットだ。ソフトクリームは、宮崎県でストレスを与えないように放牧飼育されている牛のミルクで作っていて、濃厚なのに後味がスッキリしている。「仕事中にひと口だけ甘いものが食べたくなる」。そんな気持ちに応えるサイズが喜ばれている。

『NIHONBASHI CAFÉST』が重視するのはシンプルなおいしさや、居心地のよく過ごせる空間を提供すること。
『NIHONBASHI CAFÉST』が重視するのはシンプルなおいしさや、居心地のよく過ごせる空間を提供すること。

『NIHONBASHI CAFÉST』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-5-10 日庄第2ビル 1階/営業時間:月~金 10:00~21:00 土 11:00~18:00
※営業時間は変更の場合あり/定休日:日曜・祝日/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町から徒歩3分

3種類のクリームソーダがロマンチック。『PEARL BAKERY』

左から雲のクリームソーダ、空のクリームソーダ、月のクリームソーダ。各663円。さりげないが夢のあるヴィジュアル。
左から雲のクリームソーダ、空のクリームソーダ、月のクリームソーダ。各663円。さりげないが夢のあるヴィジュアル。

昭和20年代築の古い一軒家を大幅にリノベーションして2021年6月にオープンした『PEARL BAKERY(ぱーるべーかりー)』。横丁の角地という立地を生かした店には、焼き立てのパンやソフトクリームを求めて近所の人が立ち寄っていく。店名はパン屋開業を夢見ていたオーナーの亡き母の名前から命名。甘酒横丁にちなんだ甘酒食パンや真珠貝をイメージしたパールシュークリームが店頭に並ぶ。

2階には窓が大きく、光がたくさん入ることを活かしたカフェスペースがあって、近隣の会社員もパソコンを持って訪れる。白を基調とした店内では、ソフトクリームとさくらんぼをのせた3種類のクリームソーダが映える。スタッフの意見を取り入れた完成しあた懐かしくてロマンチックなメニューだ。

2階にあるカフェスペースのカウンター席には電源も完備。
2階にあるカフェスペースのカウンター席には電源も完備。

『PEARL BAKERY』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町2-2-8 1F~2F/営業時間:8:00~19:00(カフェは9:00~)/定休日:火/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅、半蔵門線水天宮駅から徒歩2分

イギリスの家庭のお菓子でおもてなし。『Tiny Toria Tearoom』

少し古い時代のイギリスの食器や雑貨に囲まれる。
少し古い時代のイギリスの食器や雑貨に囲まれる。

甘酒横丁脇、かわいい鉢植えに誘われて扉を開けば、そこはまるごと英国式の田舎のティールーム! ざっくりしたスコーンなど本場の伝統菓子が目に飛び込んでくる。店主は、英国のライフスタイルに魅了され、ティールームを巡る旅を繰り返したという慶本佐知子さんだ。「こういうお店、いいな」と、老舗が多く落ち着いた人形町で開店したと言う。紅茶は、本場で愛される銘柄やさまざまな産地の茶葉を使う。紅茶とお菓子と交互に味わっていれば、そのうち時間を忘れる魔法にかかる。

開店前に焼き上げ、慶本さんは営業中は接客に専念する。
開店前に焼き上げ、慶本さんは営業中は接客に専念する。
定番のスコーンセット800円、ジャムをサンドしたビクトリアスポンジケーキ450円。
定番のスコーンセット800円、ジャムをサンドしたビクトリアスポンジケーキ450円。

『Tiny Toria Tearoom』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町2-20-5 /営業時間:11:30~ 17:30/定休日:月・火(祝の場合は営業)
/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩2 分

路地裏おやつ天国。『おやつのこぼく』

田所さんののんびりオーラに吸い寄せられる。
田所さんののんびりオーラに吸い寄せられる。

ガラス戸の向こうは、生クリームとカスタード色に包まれた空間。眺めるだけで頬が緩むようなおやつが出迎えてくれる。「ケーキ屋さんではなく、あそこのお母さんお菓子作りが上手だね、みたいな」と、店主の田所かな子さん。手の込んだものはないと言いつつも、家で作り続けて完成の域に達したチーズケーキは、しっとり夢のように口溶けていく。故郷の北海道にちなんで置いている富良野のハーブティーとの相性も抜群。「座ってゆっくりできていい」とは、毎日通うご近所の声。

路地裏に柔らかく甘そうな灯りが漏れる。
路地裏に柔らかく甘そうな灯りが漏れる。
チーズケーキ 300円、ふつうのプリン320円。
チーズケーキ 300円、ふつうのプリン320円。
にぎやかなおやつ時。
にぎやかなおやつ時。

『おやつのこぼく』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋浜町2-52-5 矢ケ崎ビル1F
/営業時間:11:00~18:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄新宿線浜町駅から徒歩5 分

交差点近くの、甘~く優雅な特等席。『かふぇ あっぷる』

旬のあまおうを使った ショートケーキとコーヒーのセット1150円。
旬のあまおうを使った ショートケーキとコーヒーのセット1150円。

店主の滝本さんは「初めてのお客様には特に慎重になります」と迷いつつ一客を選ぶ。カウンターに座れば、お客は並ぶコーヒーカップに見惚れるだろう。そして次は、別嬪ぞろいのケーキ選びに迷うことになる。日替わりで種類は少ないが、生クリームにホワイトチョコを入れたショートケーキなど、とっておきが揃うのだ。豆を挽く音に耳を傾け、ドリップの見事な膨らみを眺めつつ、しっとりふわっとした甘味に陶酔する。1982年の開店以来、少しずつ変わっていく人形町で、ちょっぴり贅沢な喫茶時間を刻んでいる。

通りの喧噪を遠ざけるしゃ れた二重扉が素敵。
通りの喧噪を遠ざけるしゃ れた二重扉が素敵。
立派な梁(はり)と、一枚板の長いカウンターが趣を醸す。
立派な梁(はり)と、一枚板の長いカウンターが趣を醸す。

『かふぇ あっぷる』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町3-4-13/営業時間:10:30~ 23:00(土は11:00~ 22:30)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

取材・文=松井一恵( teamまめ)、野崎さおり 撮影=金井塚太郎、野崎さおり